昨日は朝からグローベックスで米国株が切り返し。そして異常なまでのショートカバーと高値追いを演じていた。下院の共和党から短期ベースででも債務上限の引き上げに協力すべきではという意見が出ているという報道を受けてのことだ。ドル円は朝方の97円台の前半を底に、徐々に気選り上がってきた。欧州序盤には97円台の後半までゆるみなく上がってきていた。ユーロドルは1.3500をはさんであまり動いていないので、そのぶんだけユーロ円の上昇につながっている。
ドル円が高値張り付きをしているので、ここではドル円を売り込んでいけない。買うしかない状況なのだが、ここから買うならばニューヨーク勢の参入を待って、それでも高値追いをするのであれば買えばよいと思い直した。米議会の動向にはかなり楽観視されているだけ、反対の話が出てくればかなりもろく相場が崩れそうだからだ。
失業保険の数字はたいへん悪かった。ここ最近には見られないほどの悪さだった。一瞬、ドル売り、株売りに向かったが、5分も持たずに元のレベルにまで戻してきた。悪いデータも政府機関のシャットダウンの影響という一時的なものだと解釈されたようだ。その後の戻しはかなりきつく、かえって指標発表前のレベルをも越えるほどのリスクテークを誘った。
ドル円も98円台まで回復してしまい、グローベックスでの米国株もそれまでの高値を越えてきた。私も98円台に乗せてきてから何度か買ってみたが、もうスピードはのろい。むしろ98.20当たりが重くなって見える。2、3度、ドル円のロングで攻めてはみたものの、持っていられない状態が続いたので、あっさりとあきらめた。
その後のニューヨーク市場ではあまり為替相場で大きな動きはなかった。ベーナー下院議長も短期でならば債務上限の引き上げを認めてもよいと発言したので、それをうけて米国株は一段高し、ニューヨーククローズ前にも一段高し、大幅高で終了したのに比べると、為替相場の動きはダイナミックさを欠いていた。リスクに敏感なユーロ円が1円ほども上がったのがせいぜいで、ドル円は高値攻めをするという形にはなっていない。
朝方にニューヨークタイムズの報道で「協議に進展なし」と出たことで、一瞬はリスク回避が強烈に入ったが、ものの10分もたたないうちに元のレベルまで戻された。そしてその勢いをかって、米国株などは昨日の高値をも越えてきたりしている。ドル円も昼ごろから騰勢を強め、98円台のミドルまで上昇。
今晩はJPモルガンやウェルズファーゴといった金融機関の大手の決算発表がある。しかしここ最近の株価の変動は、米議会の動向というマクロ要因によるものが大きいだけに、影響は少ないものとなりそうだ。またミシガン大学の景況感が出るが、これも相対的に印象が薄くならざるをえないであろう。
注目は今日の米国株が陽線になるのか、院線になるのかである。昨日大幅高しているだけにオープン直後は買い意欲が集まるだろうが、そのゲインをキープできるかどうか。利食い売り先行のような展開が出始めれば、そこからユーロ円をショートにしてみるのも面白そうだ。
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