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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ドル安は最終段階にあり、底打ちは近い!
米雇用統計が悪くないと考える理由とは?

2013年10月18日(金)16:35公開 (2013年10月18日(金)16:35更新)
陳満咲杜

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■米デフォルト回避で、「事実で売る」が実行された

 米両党の攻防は、共和党の敗退をもっていったん幕を閉じた。米両院の合意によって、16日間にわたり閉鎖された米政府は再開され、政府支払いと債務上限問題の期限はそれぞれ2014年1月15日(水)、2月7日(金)に延ばされた。

 文字どおり、ギリギリまで攻防と交渉が続いていた今回の騒動は取りあえず収まり、米史上初のデフォルトという最悪の事態は回避された。胸をなで下ろしている市場関係者も多いと思われるが、マーケットの反応はそれとはまったく違っていることがわかる。

 言ってみれば、前回のコラムで指摘したとおり、ウォール街の面々は、そもそも政治家のパフォーマンスにだまされず、米デフォルトの発生を、本気にしていなかった。だから、政府が閉鎖されているなか、あえて米ドルを拾い、予想どおり両院の合意がリリースされた突端、手仕舞いの米ドル売りを仕掛けていた

【参考記事】
米ドル全体のリバウンド開始! もしも、米国がデフォルトしても米ドル高になる?(2013年10月11日、陳満咲杜)

「うわさで買い、事実で売る」というマーケットのジンクスが、そのまま実行されたわけだ。 

ドルインデックス 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 こういった視点やロジックをもって相場に臨めば、昨日(10月17日)の米ドル全体の急落に大したショックを感じずにいられるだろう。

 もっとも、金融マーケットに携わる期間が長ければ長いほど、すべての「サプライズ」に驚かされずにすむだろう。何しろ、マーケットは常に「サプライズ」を織り込んできたのだから、それを悟り、また慣れてくるものだ。

 したがって、米ドル売り全般は、予想された事態の出現による反動の側面が大きい。

■問題自体は未解決、景気への打撃も懸念される

 一方、安値更新しているドルインデックスの値動きから考えると、これだけではすまないところもある。

 それは他でもない、以下の2点に集約されるだろう。

 まず、今回の合意は問題の先送りにすぎず、来年(2014年)また同じ闘争や混乱が予想される。今回敗退した共和党が、来年もおとなしく退くかどうかはまったく未知数であり、オバマ大統領の譲歩も想定しがたい。

 米債務の上限自体がなくならない限り、同問題は繰り返し政治闘争の道具に使われるだろう。国際社会における米国の地位や基軸通貨国の威信は、著しく毀損される恐れがある。

 次に、S&P(スタンダード&プアーズ)の統計による、今回の政府閉鎖の経済損失は最大でGDP(国内総生産)の0.6%にも達し、総額240億ドルが失われたという。

 景気への打撃は、雇用環境のみでなく、消費者心理を委縮させる側面も大きいから、これから出る経済指標がよほど強くない限り、米QE(量的緩和策)縮小の実施は一段と遅れる公算が大きい。

 場合によっては一段と景気が後退することもあり得るから、FRB(米連邦準備制度理事会)による緩和政策は、縮小するどころではなくなる。マーケットにはこういった懸念がくすぶっている。

 こういった不確実性や懸念から、米ドル全般が再び売られたのも当然の成り行きだと受け止められ、目先下値模索を余儀なくされるだろう。

 米ドル全般の底打ちの有無は、来週火曜日(10月22日)にリリースされる米9月雇用統計の内容次第といった見方が多いのも納得できる。

■テクニカル的には米ドルの下値余地は限定的

 もっともドルインデックスは、下のチャートに記しているように、7月高値からジグザグ型下落パターンが続いて大型下落ウェッジを形成しており、目先の下落余地は、深くても79の節目手前に留まる公算が高い。 

ドルインデックス 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 テクニカルの視点では、目先米ドルの軟調が続いているものの、下値余地は限定的で、パニック的な米ドル売りは想定しにくい。

 それどころか、下落ウェッジ型自体、底打ちを確認してから反騰しやすいことを示唆するフォーメーションとして知られ、ドルインデックスはいったん底打ちできれば、かえって上放れしやすいのではないかとみる。

 したがって、今は米ドル安の最終段階という見方を、当面堅持したいと思う。

■9月雇用統計は想定より悪くない?

 相場の値動きはファンダメンタルズに先行する、という筆者のロジックで足元の状況を再点検すれば、大胆にも下記のような推測ができる。

 つまり、危惧される9月雇用統計は、もしかしたら想定より悪くなく、場合によって良い数字が出てもおかしくないのでは、ということだ。

 言ってみれば、米政府再開による「事実の売り」に加え、米政局の先行きや景気見通しの不安が米ドルを押し下げてきたが、テクニカルの視点では、米ドル全体はすでにオーバーシュートの状況にあり、そろそろ底打ちする時期を迎える

 だから来週、10月22日(火)発表の9月米雇用統計(※)がマーケットの悲観心理を一掃し、米ドル全体の底打ち、至って反騰のきっかけになり得る可能性が大きい。

(※編集部注:米雇用統計はほとんどの場合、毎月第1金曜日に前月分が発表されるが、今回は米政府機関一部閉鎖の影響で、10月4日(金)発表予定だった9月分が先延ばしされていた。これが、米政府機関閉鎖が解除されたことで、10月22日(火)に発表されることが決定した)

■前回の米政府閉鎖時、遅延した指標では良い数字が出た

 こういった推測は、目先憶測にすぎないと思われるだろうが、前例なしの戯言ではないことをここで記しておく。

 1995~1996年の政府閉鎖は、同じく経済指標の統計を遅延させたが、遅延された分、より全面的な統計ができたから、想定より良い数字が出たという例がある。

 もっとも、米雇用統計をはじめ、緒統計は常に修正されがちで、発表までに完成されていなかったケースが多い。今回の遅延で、「塞翁が馬」(※)ということになりかねないから、要注意である。

 つまるところ、目先、米ドルに関する市場センチメントは、行きすぎた悲観論に左右されがちだが、間もなく修正される公算が高い。

 ドルインデックスの底打ちと相俟って、米ドル/円は5月高値から構築されたトライアングルの上放れを果たすことも推測される。クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もリンクして、再度高値更新を目指すと思われる。市況はいかに。

(※編集部注:「塞翁が馬」とは幸福や不幸は予想のしようがないということのたとえ。「人間万事塞翁が馬」とも)。

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