昨日はアジア時間で円安が進んだ。ドル円は99円台の前半から99円台の中盤を越えてきて、海外市場で100円台をトライするという状態となった。早い時間にフィッシャー総裁が緩和継続のリスクについて言及したので、ドルの長期金利は上昇を始めた。それも手伝って、ドルの全面高となって欧州時間は推移した。個別ではあるがイギリスのインフレ指標が低かったこともあって、ポンド安がドル高を進めた一面もあった。
私は99円台の後半は一撃では抜けないと思っているので、何度か99.70アッパーになるたびに売ってみたりしたが、上がらない代わりに下げもしないので、5ポイント抜きをするのがせいぜいだった。結果的には海外市場ではドル円が20ポイントほどしか動かなかったのだから仕方がない(笑)。
経済イベントが少ないので、歴史的な高値を更新し続けている米国株の動きが注目された。長期金利の上昇が株価の上値を押さえた。ロックハート総裁も緩和縮小について12月もありうると発言したので、ますますリスクテークから遠のく展開。しかしニューヨーククローズに向けて米国株は見事に切り返した。それにツラれる形で、ニューヨーク時間ではユーロも上昇。ユーロドルはユーロクロス主導で上げた。
さてドル円も堅調に上がってきたが、やはり心理的な節目としての100円ちょうどが引っかかっている。テクニカル的にも重要なポイントなので、単純な売り、オファーが並ぶのは言うまでもない。それがテクニカル面からのアプローチというものだ。だからなかなか一撃では抜けない。近くて遠い、100円ちょうどという状況が続きそうだ。
その上、オプションからのヘッジ売りも出てくる。ここで意識されるのは100円ちょうどのストライクだ。興味の対象はドルコールである(または円プット)。お金を払ってでもオプションを買うのだから、安いほうがよい。外側のものがインザマネーになる過程で儲けようというもの。距離が近いのでショートデートのものが多い。
ドル円が100円を越えてくれば文句なく儲かるが、越えてくるとは限らない。しかるにストライクの手前からでも少しずつ売ってくることになるわけで、その分、やはり100円ちょうどの手前からオファーが増えることにつながる。100円ちょうどいうレベルが意識されればされるほど、100円ちょうどの手前は重くなる。
まあ、とにかくドル円やユーロ円でブルになっても、99円台の後半から買っていくのは得策ではないということになる。ここは我慢して、ロング攻めならばしっかり押し目を狙うべきであろう。もしここでロングメークすることができなくても、100円台に乗せてきてからロングで着いていっても遅くはない。今晩もイベントが少ない。先週と同じで、動き出す材料が出てくるのは木曜日からなのだろう。
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