昨日の欧州序盤では、ドル円は99円台の中盤で、ユーロドルは1.34台に前半でスタート。翌日にイエレン氏の公聴会を控えているので、アジア時間から通じても、あまり値動きがなく様子見の姿勢が強い状態であった。
私もあまり気乗りのしない状況であったが、レベルとしてドル円の99.75アッパーは売っておきたいというインタレストだけはあった。100円越えたらカットというポジショニングだ。そう簡単には越えないだろうと見込んでのこと。でも呆然と見ていても仕方がないので、とりあえず99.75でオファー、100.05で買い戻しのストップ注文だけ置いておいておく。
ドル円は当面は上がらないだろうと思って待っているのだが、欧州時間ではイギリスの経済指標でちょっとした動きがあった。まずはイギリスの雇用関連のデータが良かったこと。そしてインフレ報告のなかで労働環境は改善に向かうだろうというような観測が示された。それで利上げとまでは行かないが、ポンドの魅力が相対的に高まることとなった。その段階でポンドは上昇。ユーロドルやドル円がほとんど動いてない中でのポンドの上昇だったので、かえってその動きはきつい。
ところでニューヨーク勢が参入してきても、やはりドル円もユーロドルも小動きのままだった。私は翌朝が早いので、注文をそのまま出しっぱなしにしておいて寝てしまったが、朝になっても出来ておらず、むしろドル安のほうにやや進んでいた。
そして朝の6時半過ぎにイエレン氏の公聴会でのドラフトが公表されたが、内容は現状認識が思った以上に悲観的なものだった。雇用環境は悪いとし、インフレ率も依然として低いままといったもの。これでは緩和継続が決定したようなものだ。来年の3月でも緩和縮小は無理だろう。こうした観測を呼び込むには十分すぎる内容だ。ドルは一気に売られたが、ドル円もユーロドルも30ポイント程度だけ。それでも前日からのドルの安値圏でアジア時間を迎えることとなった。
ドル円は99円台の前半で始まったアジア市場だが、日本のGDPが予想を少しだけ上回った。米国株もイエレン氏の公聴会を前にして歴史的高値を追及している状態でもあるので、日本株も徐々に上げ幅を拡げていった。リスク許容度の増大にともなってドル円も上昇傾向を強めた。ランチタイムに日経先物が大きく値を上げてきてからは、ドル円も99円台のミドルを越えてきた。外部環境が変わってきたので、私もドル円の注文をキャンセル。しばらく様子を見る。
今晩はイエレン氏の公聴会が注目である。すでに草稿が出てしまっているので、いまさらサプライズはないだろう。これまでの方針を確認する程度。緩和縮小の話は出て来ないだろう。そのための条件としては朝にも触れられたとおり、ハードルはかなり高い。それでもスピーチを前に期待ベースで株高が急速に進んだ場合には、円売りも加速することも考えられるので、ドル円の100円突破も一気に起こるかもしれない。0時の前後15分は要注意だ。
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