■好調に見えるときに落とし穴!? 1日で15%以上の下落!
すべてが好調に見えるときには、思わぬ落とし穴があるということを今回も思い知らされる状況となっています。
きっかけは、アルゼンチンでした。アルゼンチンの通貨、ペソがたった1日で15%以上も下落してしまったのです。
(出所:CQG)
それがどれくらいのものか、感覚的にわかりにくければ、米ドル/円が1日で15円、円安方向に動いたと考えてもらえればわかりやすいと思います。
どうしてこうなったかを説明する前に、一般論を説明しておきます。
■本当に怖いのは、通貨高ではなく通貨安
日本は長い間、円高に苦しめられてきました。通貨高で苦しめられるというのは、実はあまり一般的ではなく、むしろ特殊なケースです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 月足)
それよりも、本当に怖いのは通貨安です。
自国通貨が高い場合(たとえば円高)、その国の中央銀行は自分の国のお金を刷って、その資金で外国通貨買い・自国通貨売りの為替介入を、理論的には無尽蔵にできます。
もちろん、通貨を無尽蔵に発行すると、インフレを招くというリスクはありますが…。
ところが、逆の場合はそうはいきません。通貨が下落すると、海外からの輸入コストが高くなり、インフレとなります(いわゆるコストプッシュインフレ)。
そのため、インフレを抑制する目的で通貨の下落を防ぐために、外国通貨売り・自国通貨買いの為替介入を実施するわけです。こちらは、外国通貨を売るという取引になるため、手持ちの外国通貨が切れてしまうと、それ以上、手を打てなくなってしまいます。
国際協力の中で、各国からその外国通貨を借りるというセーフティネットが用意されているものの、それにも限界があります。
■金利の大幅引き上げは苦肉の策…
そうすると、もう1つの方法としては、金利を大幅に引き上げて通貨安を防ごうとするものがあります。しかし、これをやってしまうと、当然景気には大きなマイナスとなってしまいます。
苦肉の策ということです。
以上のように、通貨安を防ぐということは実に難しいです。今回のアルゼンチンのケースもこれに当たります。
アルゼンチンの外貨準備高は…
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