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【徹底解剖】2014年大注目のNDD(3)
NDD口座比較の隠れたポイントとは?

2014年02月18日(火)15:07公開 (2014年02月18日(火)15:07更新)
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波乱の「日経平均」や「NYダウ」の下落局面も収益チャンスに! 話題の「VIX指数」も取引できる【CFD口座】を比較!

「【徹底解剖】2014年大注目のNDD(2) NDDでスキャルパーが歓迎されるワケ」からつづく)

■外資系が先行、ウルトラFXが猛追

 現在、NDDと銘打たれた、日本のおもな口座は以下のとおりだ。日本でもっとも古くNDD口座を始めたFXCMジャパン証券(現楽天証券)や、2013年12月に既存口座をすべてNDDへ移行したアルパリジャパン(※)など外資系が目立つのが特徴だ。

(※アルパリジャパンは、2015年1月に破綻し、8月にはデューカスコピー・バンクに買収された。10月よりデューカスコピー・ジャパンとして、営業を開始している)

★日本国内のおもなNDD口座一覧

会社名[口座名] 最低取引単位 取引手数料 米ドル/円
参考スプレッド(※1)
プラットフォーム カバー先数 スマホ向け
アプリ
ザイFX!期間限定キャンペーン実施中
セントラル短資FX[ウルトラFX]
5万通貨 無料 0.4銭
(実績平均値)
独自ECN 非公表(※2) 3月31日から提供開始予定
サイバーエージェントFX[C-NEX](現YJFX!) 1万通貨 無料 -
カレネックス
(クラシック)
19社 あり
アルパリジャパン[アルパリダイレクト] 1000通貨 片道0.0015% -
カレネックス
(ヴァイキング)
1社(16社) あり(iPhone)
アルパリジャパン[アルパリダイレクトPro] 1000通貨 片道0.0015% -
カレネックス
(クラシック)
1社(16社) あり(iPhone)
アルパリジャパン[MT4 スタンダード口座] 1000通貨 無料 0.8銭(実績値)
独自ECN 1社(17社) あり
アルパリジャパン[MT4 プロ口座] 10万通貨 無料 1.0~1.4銭
(実績値)
独自ECN 1社(17社) あり
会社名[口座名] 最低取引単位 取引手数料 米ドル/円
参考スプレッド(※1)
プラットフォーム カバー先数 スマホ向け
アプリ
FXCMジャパン証券(現楽天証券)[TS口座] 1000通貨 無料 -
独自ECN 2社 あり
FXCMジャパン証券[プレミアム口座] 1万通貨 無料 0.6銭原則固定
独自ECN 2社 あり
FXCMジャパン証券(現楽天証券)[MT4口座] 1000通貨 無料 -
独自ECN 2社 あり
外為ファイネスト[EVO] 1万通貨 無料 0.8~1.4銭
(実績値)
カレネックス
(ヴァイキング)
1社 なし(準備中)
外為ファイネスト[PRO] 50万通貨 片道0.003% 0.1~0.7銭
(実績値)
カレネックス
(ヴァイキング)
1社 なし(準備中)
外為ファイネスト[MT4] 1万通貨 片道0.0035%
~0.008%相当
-
カレネックス 1社 あり

2014年2月18日現在
(※1:米ドル/円のスプレッドで「実績値」あるいは「実績平均値」としているのは、2014年2月18日現在で各社が発表していた最新の値を掲載している)
(※2:セントラル短資FX全体のカバー先は22社あるが、[ウルトラFX]のみのカバー先は公表されていない)

「世界的にはこの3年ほどでNDDへ移行する動きが進んでいます」

 そう教えてくれたのは、アルパリジャパンのパトリック・チェルヴィンスキさん。日本でNDDの動きが急浮上してきたのは昨年、2013年からだが、世界的にはもう少し前からNDD化が進んでいたようだ。外資系FX会社がNDDで一歩先行しているのも当然といったところか。

■NDDの世界標準は「カレネックス」

 「NDDの取引プラットフォームで世界的にもっとも優れているのは、カレネックス(※)だと思います。ただ、カレネックスはFXに慣れたプロトレーダー向け。慣れれば使いやすいものの、メタトレーダー4(MT4)などに比べると、初心者には使いづらいところもあると思います」(チェルヴィンスキさん)

 NDD口座はセントラル短資FXのように「ECN」(電子取引ネットワーク)を独自に作っているものと、カレネックスのような既存のECNを利用したものとに大別できる。

 カレネックスは世界的に有名なECNで、耳にしたことのあるトレーダーも多いのでは。アルファベットならCURRENEXと書き、カリネックスと呼ばれることもよくある。

 そして、カレネックスのシステムには、よりプロ向けに近い「クラシック」と、初心者の利便性にも配慮した「ヴァイキング」の2種類がある。

 勘違いされがちだが、カレネックスは為替市場ではない。FX会社とカバー先の銀行や証券会社をつなぐ「道路」のようなものだ。

 あくまでも道路だから、どんなレートを提示するかは、その道路を走るクルマ=カバー先となる銀行や証券会社次第。同じカレネックスを使っていても、FX会社によってレートは異なっている。

■カレネックス系のNDDなら「板」が見られることも!

 NDDの代表格であるカレネックス。その中でもプロ向けに近い「クラシック」の大きな特徴は「板」が見られるということ。

 株に慣れている人ならばなじみのある板だが、板が見られるFXは、これまで[大証FX]しかなかった。

 板とは、「その価格にどのくらいの量の注文があるか」を示した表だ。株だったら自分の注文も板に反映されるけれど、カレネックスの板で表示されているのはカバー先の銀行や証券会社が提示している注文になる。

(クリックで拡大)

 これからカレネックスがもっと普及すると、板を利用したトレーダーなども出てくるだろうし、板をざっと眺めているだけでも、銀行がどのあたりのレートへ多めに注文を出しているかなと、節目が読めるようなこともあるかもしれない。

■NDDの注文では「価格」だけでなく「数量」にも気をつけて

 さて、この板にも関連するのだが、NDDを使うときには注意が必要。そのキーワードは「部分約定」だ。

 発注時、原則固定型なら注文の際に「価格」だけを気にすれば良かったが、板があるNDDでは「価格と数量」を気にする必要が出てくる。自分が望む価格に板があっても、自分が望む分の数量がなければ、すべての注文は約定しないからだ。

 カレネックスのシステムを利用するサイバーエージェントFX(現YJFX!)の[C-NEX]だと、成行注文ひとつとっても「MKT」「GTC」「IOC」の3種類がある。

 ちょっとややこしいが、ポイントとなるのは「自分が発注した量だけの数量が板になかった場合」の扱いだ。上記3種類の注文の違いを以下の図で説明したので、見てほしい。

■NDD比較のポイントは「カバー先の量と質」

 前ページでも掲載した「日本国内のおもなNDD口座一覧」の表を以下に再掲載するが、この表にはその会社自身が「NDDでやってます」と表明しているものをリストアップしている。

 いずれも注文はFX会社を素通りし、カバー先へと直結するNDDのしくみを基本的な部分では採用している模様だが、これまでに説明してきたNDDならではの特徴がすべてに当てはまるとは限らないので、その点はご注意を。

★日本国内のおもなNDD口座一覧(再掲載)

会社名[口座名] 最低取引単位 取引手数料 米ドル/円
参考スプレッド(※1)
プラットフォーム カバー先数 スマホ向け
アプリ
ザイFX!期間限定キャンペーン実施中
セントラル短資FX[ウルトラFX]
5万通貨 無料 0.4銭
(実績平均値)
独自ECN 非公表(※2) 3月31日から提供開始予定
サイバーエージェントFX[C-NEX](現YJFX!) 1万通貨 無料 -
カレネックス
(クラシック)
19社 あり
アルパリジャパン[アルパリダイレクト] 1000通貨 片道0.0015% -
カレネックス
(ヴァイキング)
1社(16社) あり(iPhone)
アルパリジャパン[アルパリダイレクトPro] 1000通貨 片道0.0015% -
カレネックス
(クラシック)
1社(16社) あり(iPhone)
アルパリジャパン[MT4 スタンダード口座] 1000通貨 無料 0.8銭(実績値)
独自ECN 1社(17社) あり
アルパリジャパン[MT4 プロ口座] 10万通貨 無料 1.0~1.4銭
(実績値)
独自ECN 1社(17社) あり
会社名[口座名] 最低取引単位 取引手数料 米ドル/円
参考スプレッド(※1)
プラットフォーム カバー先数 スマホ向け
アプリ
FXCMジャパン証券(現楽天証券)[TS口座] 1000通貨 無料 -
独自ECN 2社 あり
FXCMジャパン証券[プレミアム口座] 1万通貨 無料 0.6銭原則固定
独自ECN 2社 あり
FXCMジャパン証券(現楽天証券)[MT4口座] 1000通貨 無料 -
独自ECN 2社 あり
外為ファイネスト[EVO] 1万通貨 無料 0.8~1.4銭
(実績値)
カレネックス
(ヴァイキング)
1社 なし(準備中)
外為ファイネスト[PRO] 50万通貨 片道0.003% 0.1~0.7銭
(実績値)
カレネックス
(ヴァイキング)
1社 なし(準備中)
外為ファイネスト[MT4] 1万通貨 片道0.0035%
~0.008%相当
-
カレネックス 1社 あり

2014年2月18日現在
(※1:米ドル/円のスプレッドで「実績値」あるいは「実績平均値」としているのは、2014年2月18日現在で各社が発表していた最新の値を掲載している)
(※2:セントラル短資FX全体のカバー先は22社あるが、[ウルトラFX]のみのカバー先は公表されていない)

 では、どのNDDを使うかだが、その参考になる約定率やスプレッドなどのデータを現状では公表していないFX会社も多い。今後はセントラル短資FXの[ウルトラFX]のように公表する会社も増えてくるだろう。

 ひとつ注意点を挙げるとすれば、NDDでは原則固定型以上にカバー先の量と質が大切。そのしくみを考えればすぐわかるように、NDDのレートはカバー先次第な部分が大きい。先ほどの比較表にカバー先の欄を設けているのはそのためだ。

【参考記事】
【徹底解剖】2014年大注目のNDD(1) NDDでマイナススプレッドが出る原理

 しかし、たとえば、アルパリジャパンなどはカバー先が1社だけとなっている。1社じゃ不安かといえば、そんなことはない。

 アルパリは英国拠点の世界的な大手FX会社。こうしたFX会社では表面上、カバー先を海外の本社1社としつつも、実際は本社の先に複数のカバー先が存在しており、英アルパリの場合は16~17社のカバー先がある。

外資系FX会社にはそのような例が多いようだ。FXCMジャパン証券(現楽天証券)や外為ファイネストもこのケースに該当する。

■2014年はNDDの取引環境が整っていきそう

 日本のNDD口座はまだまだスタート段階といった感じ。スマホ向けアプリや取扱い通貨ペア数、注文の多様性などでは従来からある原則固定型に分がある。

 NDD口座のそうした点も今年、2014年はだんだんと充実してくるだろうが、でも、NDD口座の多くは中上級者向け。まずはサービスが豊富な原則固定型で慣れてから、それとNDD口座を併用していくといった使い方が良さそうだ。

(取材・文・撮影/ミドルマン・高城泰)

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