ウクライナの情勢の見通しは良くなったり、悪くなったりしている。暫定ではあっても新政権が発足して国際的に財政支援も受けれそうという話しが出たかと思うと、今度はクリミア半島では政府施設などが武装勢力に占拠されたという報道が流れたりもした。
そして逃亡中のヤヌコービッチ氏がロシアで保護下にあるという。ウクライナ問題は経済関係も含めて、簡単に決着がつきそうにないのではないかという懸念が出てきた。長期化するのではないかという心配は、昨夕の海外マーケットで本格的に起こった。
欧州序盤ではドル円は102円台の前半で、ここ数日、まったく同じレベルではじまっている。昨日もその例に漏れず102円台前半でのスタート。ユーロドルは前日に下げたレベルから始まって、ついに1.37台には乗せずじまいの1.36台のミドルで欧州時間を迎えた。
地政学的リスクということもあって、リスク回避の象徴であるユーロ円はアジア時間の140円台からすべり落ちてきた。円の買戻しが強まるにツレて、ドル円も101円台に突入。ウクライナの動向がどうなるかはわからないが、私もドル円を102円割れから売り込んで行った。もしかしたら膠着状態にあるドル円もフレッシュゾーンを見れるかもしれないという期待もある。
グローベックスでの米国株も安値攻め。ドル円のショートは持ち心地は良い。しかし102円台を回復するようならば、すぐにでも止めるつもりだ。米国債の価格も上昇しているので、明らかに質への逃避が進んでいる。ドル円もユーロドルも安値攻めをしながらのニューヨーク勢の参入となった。
ドル円の101.70台は見たのだが、これではいつものレンジの下限と同じ。なんだかちょうどよいところで止まったということになるのかなぁ。ユーロ円も下げ止まった。なんだか嫌な感じ…。アメリカの経済指標はマチマチな結果だった。それでもマーケットはリスクテークの方向で反応した。
米国株も上がり、下げていたユーロ円も反発に転じた。きっとイエレン議長のスピーチへの期待での行動なのだろう。そう感じながらも私は102円ちょうどに損らされた。なんだか結局は、ドル円はレンジのままだったということになる。がっかり。
イエレン議長は前回と同じ内容の話しに終始した。秋に金融緩和は終了するだろうということ、失業率の6.5%というのは完全雇用から程遠いことなどだ。ビットコインについても触れたが、FRBに規制権限はないというもの。ウクライナから新しい情報も出てこないためか、ニューヨーク時間ではユーロドルが1.37台まで戻した。
依然として同じようなレベルで膠着している為替相場。なかなかレンジから抜け切れないところである。アジア時間では人民元の下落から、ドル円も昨日の安値を下抜けして101.56近辺まで。しかし東京クローズにかけて101.80台まで押し戻された。
今晩はアメリカのGDP改定値やCAPMなどが出る。これは是々非々で対応していくしかないだろう。それにしても問題は米国株のタカさである。昨日の株価上昇で、米国株は再び歴史的な最高値に急接近してきた。
はたしてこれがまた高値を更新していくのか、それともレジスタンスとしてワークして反落に向かうのか。そうしたリスク性の高い資産価格をウォッチしながら、ドル円やユーロ円の取引に励むしかなさそうだ。
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