■ウクライナ情勢が緊迫化、週明けはリスクオフ一色に!
週明けのマーケットはリスクオフによる円高から、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は「下窓」を開けて取引を開始しました。
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背景としては、ウクライナ情勢の緊迫化があります。
週末に開催されたロシアのプーチン大統領と米国のオバマ米大統領との電話会談(米ロ首脳会談)が物別れに終わり、さらに週明け3月3日(月)にはロシア当局がウクライナ南部のクリミア半島を管理下に置いたと発表したことで、地政学的リスクが高まりました。
先週末からのウクライナ情勢については、1日にロシア議会上院がウクライナへの軍事介入を承認。
これを受けて、米国のオバマ大統領はロシアのプーチン大統領との電話による首脳会談で懸念を表明するとともに軍の撤退などを求めたものの、プーチン大統領は軍事介入の可能性を示唆しており、双方ともに歩み寄りは見られない結果となりました。
■米ドル円は40銭以上も「下窓」を開けてスタート!
これを受けて週明けの為替相場はリスクオフによる円高が強まって、リスク回避通貨の円は大きく買われており、米ドル/円は先週末の終値となる101.80円近辺から101.40円近辺まで売られ、クロス円もチャート上で「下窓」を開けて取引を開始。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 15分足)
さらに、リスクオフムードは金融市場全般に広がりました。日経平均は寄り付きから大きく下落し、一時は前営業日比397円安まで急落。少し戻したものの、前引けは259円安の1万4581円となりました。
そして、こうした株安が為替相場での円高圧力につながりました。
(出所:株マップ.com)
現状ではプーチン大統領は軍事介入には踏み切ってはいませんが、ウクライナへのロシアの軍事介入を巡るマーケット参加者の懸念がより一層強まっています。
今後もロシアや米国当局の動き、そしてEU(欧州連合)各国の要人発言にマーケットは振り回される可能性もあることから、相場が動きやすい欧州やロンドン勢の参入直後の為替や株といったマーケットの動きを注意深く見守り、方向感を見極める必要がありそうです。
(ザイFX!編集部:庄司正高)
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