■豪ドル/米ドルは200日移動平均線をあっさりブレイク
ユーロ/豪ドルは2014年1月24日(月)に1.5833ドルの高値をつけてからじり安の展開。
(出所:米国FXCM)
そして、先週の1.55ドル台から今週一気に節目の1.5000ドルをブレイクし、1.49ドル台前半まで急落しています。
ユーロ/豪ドル、豪ドル/NZドル、豪ドル/加ドル、豪ドル/円といった豪ドルクロスでも軒並み豪ドル高が急激に進行。
連れて、豪ドル/米ドルは長らくレジスタンスであった200日移動平均線をあっさりブレイクし、0.92ドル台ミドルまで反発。
(出所:米国FXCM)
■RBNZの連続利上げ予測も豪ドル上昇をサポート
グローバルマーケットが不透明な中、豪ドル高が急激に進行しているのは、インフレに留意して、お隣のRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が連続利上げするだろうと予測されていることが影響していると言われています。
先週のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長もややタカ派でしたが、RBNZ同様、RBAも将来的にインフレを懸念せざるを得ない状況に陥っているのではないかというのがマーケットのコンセンサス。
加えて、この豪ドルの反発には、RBAのスタンス変化の他に、ロシアからの資金流出の一部も、南半球でトリプルAの格付けを持つオーストラリアに向かっていることが要因ではないかという推測もあります。
■混乱から遠い通貨へ資金流入、豪ドルの優位性は継続か
どちらにせよ、ロシア発の混乱により、各国のファンダメンタルズよりも、流動性が高く、混乱から一歩離れた通貨へと資金が流れるという傾向が出てきています。この意味においては、これまでのリスクオン・リスクオフといった教科書的な相場の見方では対処しにくくなっているので要注意です。
なので、豪ドルの優位性はしばらく続くのかもしれません。
ただ、このところのマーケットは地政学リスクを抱えており、不安定であることと、昨日はスティーブンス総裁が「交易条件の悪化とともに、豪ドルが下落しないならば驚きだ」、そして「交易条件は悪化するだろう」とコメントしており、RBAが大幅な通貨高を容認するという展開ではなさそうです。
この豪ドルの反発が続くのかどうかを占う意味で、4月1日(火)のRBAの金融政策決定会合に注目。
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