昨日のアジア時間では大きくリスク回避が進むものと思われた。前日のイラク騒動で米国株も急落して、ほとんど値を戻していないからである。そこで最近、足腰の弱っているように見受けられるユーロ円などが、直撃を浴びるのではないかと思っていた。
ただしクロス円の中でもポンド円だけは例外だ。これはBOE総裁の発言で、利上げ期待が急速に高まっているからだ。リスク回避にはユーロ円で勝負するのがよさそうだ。昼過ぎからユーロ円が138円台まで戻してきたので、私も139.09でショートに振った。
しかしアジア時間では株価は下がらなかった。といっても日本株だけである。グローベックスでの米国株は安いままだから、なおいっそう日本株の堅調さが際立った。確かに朝にSQを通過したので、たまっていたポジションは軽くなったということもあるだろう。
それに日本のボーナスシーズンでもあるので、それに向けてフレッシュな投資マネーが市場に入ってくると見ているプレーヤーにとっては、絶好のタイミングでもあったのだろう。日本株だけ大きく反発。世界的な株価急落とは、完全に逆行高である。
これで次第にマーケットのムードは変わってきた。クロス円のショートにはまったくの不利。イラク騒動がどうなっているかに関わらず、これで調子に乗って円売りに励んでくる向きも出てくるだろう。情けないが自分もユーロ円のショートからゲットアウトすることにした。138.21で買い戻した。その後は東京クローズ間際で日本株は一段高し、そのステージでユーロ円もピョンと跳ねた。
海外市場ではその前日と変わって、ドルの全面高で進んだ。やはり株価の急落後に、下げ止まり感が出てきたからだろう。欧米の株価は底打ちし、大幅な上昇には至らないものの、それでも拾い場を探そうと思っていた連中の買い意欲を満たすには十分な値の戻しだった。
週末にはイラク紛争が問題視されて、週明けのマーケットはリスク回避で始まった。グローベックスでは米国株が大きく下げて始まった。これは金曜日のゲインをすべて吐き出して余りあるもの。ドル円やユーロ円もリスク回避の波及で安い。私もドル円を101.98でショートにしてみた。もし102円台に戻してくるようならば、買い戻してニュートラルにするつもりだ。
今晩はエンパイア指数や鉱工業生産が発表されるが、世の中の関心はワールドカップに移っている。イラク情勢は緊迫化しているが、さらに何か大きな変化が見らない限り、マーケットは動きづらいだろうが、さらに米国株が崩れてくるようだと一気にリスク回避が拡がる可能性もある。
日本時間 15時20分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)