■低ボラティリティ環境では1つのテーマにポジション集中
みなさん、こんにちは。
米国の経済指標の改善を見ても、なかなか米金利が上昇してこないこともあり、米ドル/円、ユーロ/米ドルといった主要通貨は相変わらず狭いレンジ圏で推移しています。

(出所:米国FXCM)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
こうした低ボラティリティの相場環境では、1つのテーマにマーケットが偏りがちになるのですが、今回はECB(欧州中央銀行)のマイナス金利導入を受けてユーロクロス(米ドル以外の通貨とユーロとの通貨ペア)が焦点に。
ユーロ/米ドルは1.3500ドルのバリアがブレイクできないため、ポジションは偏っていないのですが、ユーロ/英ポンドやユーロ/豪ドル、ユーロ/加ドル、そしてユーロ/円といったユーロクロスにはショート(売り建玉)がじわじわと構築されてきています。

(出所:米国FXCM)

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ユーロ/英ポンドやユーロ/加ドルといったユーロクロスこそワークしていますが、他のユーロクロスは1つのテーマにポジションが集中していることもあり下げ止まり。
■ユーロクロス、ユーロ/円は反発の可能性!
まず先週、7月3日(木)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])・スティーブンス総裁のコメントにより、豪ドルが利上げ通貨グループから脱落し、ユーロ/豪ドルが1.45ドル台を一時回復。

(出所:米国FXCM)
7月9日(水)のNY市場では、大手のヘッジファンドからと思われる大口のユーロ買いがマーケットに持ち込まれ、一時ユーロ/米ドルは1.36ドル台ミドル、ユーロ/円は139円近くまで反発。ユーロ/豪ドルも1.45ドル台まで上昇しました。

(出所:米国FXCM)

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ユーロ/米ドルは、低ボラティリティの環境下、タイムディケイ(※)によって失われるオプション価格の管理に苦しむオプションデスクから、1.3600ドル以下では旺盛な買い意欲が湧き出て下げ渋り。
(※1 編集部注:「タイムディケイ」とは、オプション取引において満期日が近づくにつれて減少する時間的価値のこと。オプションの満期日を迎えると時間的価値はゼロになる)

(出所:米国FXCM)
さらなる、ECBの追加緩和余地が残るユーロはショートになりがちなのですが、7月に入っても、一向に下げてこないユーロクロスはポジション調整による反発の可能性が高くなってきました。
今週(7月7日~)はユーロ/豪ドル、ユーロ/英ポンド、ユーロ/加ドル、そしてユーロ/円といった、ユーロクロスの反発を警戒です。
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