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「FX友の会 in 東京 2014」潜入レポ(3)
東大卒トレーダーがチャート術を大公開!

2014年07月22日(火)14:33公開 (2014年07月22日(火)14:33更新)
ザイFX!編集部

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「『FX友の会 in 東京 2014』潜入レポ(2) 取引手法の由来は3度も目が合った美女!?」からつづく)

■東大卒トレーダーがチャートに求める3要素とは?

 ロブ・ブッカーさん&ブラッドリー・フリードさんのありがた~いお話の後に登壇したのは、愛称「福ちゃん」ことトレーダーの福寄儀寛さん。司会進行のフリーアナウンサー・叶内文子さんから「親子丼の好きな福ちゃんで~す」と紹介されたときはやや苦笑いしていたが、そこから福寄流チャートの使い方セミナーがスタートした。

 実は、その愛称からは想像もつかないが、福寄さんは東京大学法学部卒という経歴の持ち主。さらに、自身で起ち上げたIT会社の経営を行う傍ら、FXセミナーの講師も務めるというかなりやり手のトレーダーだ。 

 福寄さんの話は、チャートのインディケーターなどを用いた、いわゆる“テクニカル分析”を中心とした構成だったが、基本的な考え方から、実際に使っているインディケーターを用いた実践的なものまで盛りだくさんの内容だった。

 FXセミナーの講師も務める福寄さんは普段から、たくさんのFXトレーダーと話す機会があるそうなのだが、間違ったチャートの見方をしている人が多いという印象を常日頃から持っていたそうだ。

 「取引に慣れていない人は思った以上にチャートを断片的にしか見ていない場合が多いのではないかと思っています。

 断片的というのは、ある1つの時間軸しか見ていないのです。

 それともう1つは、チャートの表(おもて)ばかりを見てしまう。チャートで分析をすることも大事ですが、そのチャートを見ている人がどのように動くのかという『裏』も非常に重要です」

 そんな福寄さんにはチャートに求める3つの要素があるそうだ。

(1)複数の時間軸を一度に、楽に見る。
(2)自分のトレードをしっかりと律することができ、明確で解釈の幅が少ないルールを可視化する。
(3)チャートを見ている他の投資家の心境を推察するための材料をできるだけ拾う

 まず、(1)については、複数時間軸のトレンドが色分けされたインディケーターを用いて流れを把握するということのようだ。インディケーターの詳しい内容については後述する。

 次に、(2)は具体的な撤退ラインを明確に引く手法を持つことが重要とのこと。

 そして、(3)はチャートでは見ることのできそうにない要素だが、これについては、ほかの情報とも連携しつつ見ることがポイントだという。福寄さん自身は、IMM(国際通貨先物市場)の通貨ポジションや一部のFX会社が公開しているポジションの偏りなどをよく見ているそうで、「他の人がどう動くか」ということをこうしたデータを欠かさずチェックすることで取り込んでいるそうだ。

チャートを見るだけではなく、ほかの情報と連携することも非常に重要なポイントだという

■上がると思った材料で上がらないときの違和感が大事

 「大きなトレンドが発生しているときは、みんなが同じポジションを積み重ねていきます。その増え方のペースと、増えたポジションのコストレートはざっくりとですがいつも意識しています。

 あるレートで売買された大きなポジションの塊がいくつか相場にあることをイメージしているだけで、そのカバーが走りそうな水準を意識しやすいし、冷静になれます。

 そして、トレンドが止まるときは溜まったポジションの巻き戻しが新規の取引と均衡しだすときです。ポジションが偏り過ぎていると、上がるだろうなと思った材料で上がらなかったりするので、そういう違和感を感じ取るのはすごく重要だと考えています。なので、チャートを見るときは常に、発表される情報の重要度と重ね合わせて見てますね。

 また、新しい小さなトレンドが大きなトレンドをくつがえしていくような場面は、積み上がっていたポジションが利益確定や損切りによって崩れてくるので、そういうポジション調整時のチャート波形はかなり昔のチャートも含め、そのまま覚えています。

 こういう、『目の前のチャート』以外の情報と連携して見る手法は覚えておくとグっと安定感が出てくると思います」

■小さなトレンドも軽視しないチャート術!

 また、福寄さんはエントリー時と決済時でチャートの見方が少し違っているそうだ。

 エントリーするタイミングでは、大小さまざまな時間足を確認しながらストーリーを考えてトレードに入る。一方、決済のタイミング、特に損切りについては、余計な裁量や考える余地を一切作らないという。

 「エントリーするタイミングでは、いろんな時間足を見て、こういうバリエーションやストーリーってありえるな、というふうに多くの場面を考えます。

 一方、決済のタイミング、特に損切りで逃げる時というのは、そこに裁量とか可能性を追い求める余地があってはいけないと思っています。だから、淡々と実行できるようなチャートと投資戦略を組まないといけないと考えています」

 そして、エントリーと決済のタイミングでやってはいけないことを次のように話していた。

 「エントリーのタイミングで、5分足だけを見て断片的に参加するけれども、損切りのタイミングで違う時間足を見てまだ戻りそうだとか、これはまだあり得るだろうとか、思惑をめぐらせてポジションを切れないというのは絶対避けないといけないと思っています」

 さらに、大小のトレンドの重要度については「小さいトレンドだからといって軽視できない」とのこと。それは、どんなに大きなトレンドでも最初は小さな時間軸から発生していることが理由にあるという。

 したがって、「まず自分が見ている小さな時間軸の流れが今後どうなりそうか」をポイントとし、さらに以下の3点を挙げていた。

(1)ただのノイズか
(2)一定の小さな時間足でワークする波形か
(3)大きな流れを変えていく初動となりえるか

 福寄さんは、これら(1)~(3)を、どのようなインディケーターを見て判断するか常に考えてトレードに臨んでいるとのこと。そして、どういう意識でポジションを持つのかも重要だという。

小さいトレンドだからと言って軽視せず、小さな時間軸の流れを見て欲しいと語る福寄さん

 では、ここで福寄さんが使っているトレード手法について紹介しておくと、以下の3パターンがあるそうだ。

(1)大きなトレンドをフォローすべく取るポジション
(2)大きなトレンドと逆行しても、小さな時間足の過熱感・反動を狙って取るポジション
(3)まったく無秩序なポジション

 「大きなトレンドをフォローするときは、値幅も大きくなるのでポジションを抑え、ストップを深めにして、大きな時間足のトレンドに乗っていきます。

 逆に大きい時間足に対する小さい時間足での巻き戻し、反動を狙って入るようなときには、枚数はちょっと大きめになる。値幅としては小さめだけれども、ある程度大きめのポジションをとることで収益をあげる。その場合、大きなトレンドに反して入っているポジションなので、ストップをしっかり機能させることが前提となります。

 そして、もみ合っていて方向感が出ていないとき、こういう時はそもそもトレードをしないほうがいいという場面でもありますが、一定の収益を出すために、慣れている通貨ペアで、短期売買を回す場合もあります。その場合は特定の時間足だけできっちり利食いと損切りラインを設定して、どちらに転んでも深追いしないトレードをします。これを自分は無秩序なポジションと呼んでいます」

 どのパターンが正しいかというよりも、どういう意識で持ったポジションかを把握しておくことが重要のようだ。福寄さん自身はざっくりこの3パターンでトレードすることが多いという。

■チャートを充実させるポイントは2つ

 それでは、福寄さんがチャートを充実させるポイントとしているのはどういったところなのだろうか? これには、大きく分けて2つあるそうだ。

 1つ目には大小のトレンドが見られること。上か下かではなく、大きな時間軸と、小さな時間軸に挟まれた「今」が流れの中で見られるようにインディケーターを配置することが重要だ。

 そして、2つ目にカットラインを明確なレートで表示できること。こちらは「ここまでいったら切るぞ」という水平線でラインが引けることが重要のようだ。

チャートを充実させるには、大小のトレンドが見られることと、カットラインを明確なレートで表示できることがポイントになるそうだ

 福寄さんいわく、「チャートの中で絶対にブレない、余計な裁量が入らない明確なラインを持つというのが非常に大事になってくる」とのこと。

■複数時間軸のトレンドを緑色とオレンジ色で表示

 さらに、今回のセミナーでは、福寄さんが普段から使っているインディケーターを表示したチャートを示して、いろいろ解説してくれたのだが、その中のいくつかを紹介しておきたい。

紹介されたチャート1(クリックで拡大)

 上のチャートには、いくつかのインディケーターが表示されているが、下の画面の赤く囲われているのが複数の時間軸でトレンドを見ることができるインディケーター。

 トレンドラインのどちら側にあるかを視覚的にとらえやすくしたシンプルなインディケーターだそうで、「緑色」がアップトレンド、「オレンジ色」がダウントレンド、「灰色」がもみ合いを示している。

 たとえば、上から下までビッシリとオレンジ色が揃っていれば、複数の時間軸のトレンドがいっせいにダウントレンドになっているということだ。

 そして、上の画面に表示されているものが、ピボットが自動で引かれていくインディケーター。これについては「節目となりそうなラインとして気にかけている」そうだ。

 使い方としては、先に紹介した複数の時間軸でトレンドを見ることができるインディケーターで方向性を確認し、節目などを見ながらトレードに入るという。

■複数の感度を持つオシレーターを配置する意味とは?

 次に紹介するチャートは、ボリンジャーバンド、MACD、ストキャスティクス、RCI、そしてADXといった、オーソドックスなインディケーターが組み込まれたものだ。

紹介されたチャート2(クリックで拡大)

※上からボリンジャーバンド・MACD・ストキャスティクス・RCI・ADX。

 ローソク足とボリンジャーバンドでは、高値(HIGH)と安値(LOW)の更新の有無や、ボリンジャーバンドの各ラインとローソク足の位置関係を確認しているという。

 そして、3つのオシレーターはパラメータの細かいRCIとパラメータが鋭いストキャスティクス、そしてパラメータの鈍いMACDで構成されている。

 これは、複数の感度を持つパラメータを用いることで、複数の時間軸を見ていることとほぼ同じ意味になるそうだ。

 たとえば、パラメータを鋭く設定したストキャスティクスは先行して動きやすく、これは短い時間軸の動きを反映したものと言える。これに対して、パラメータが鈍いMACDはゆっくりとした動きとなり、これはより長い時間軸の動きを反映したものと言える。

 つまり、「複数の感度≒複数の時間軸」となるのだ。

 さらに、感度の違うパラメータを配置することにより、たとえば、感度の鋭いRCIやストキャスティクスだとダマシがあったりもするが、感度の鈍いMACDであればダマシが少ないというように、弱点を補うこともできる。

 使い方としては、RCIやストキャスティクスで初動を確認し、MACDがそれに追随しそうかを見極める。そして、トレンド系のチャートでさらに相場の前後の流れを把握し、カットラインなどを設定してからトレードに入るそうだ。なお、ADXは、トレンドが発生するか収束するかを判断するのに用いるという。

■チャートを組んだら長く使うことが重要!

 また、「満足するチャートが組めたらそれを使ってみる。そして、勝ってみる、もっと大事なのが負けてみる」と話していた。

 「これは使えそうだというチャートの波形とかパラメータを見つけた場合は、ある程度、それを見続けたほうがいいと思います。

 どんなにいいチャートでも、それを使いこなせるようになるには、一定期間使って、勝っているときだけでなく、負けているときもしっかり見ることができているかが大事。負けている時に良い水準で撤退ラインを可視化してくれたチャートなどは、自分はすごく大切にするのですが、初心者の方ほど負けた悔しさでそんなのあまり見ないんですよね。

 そうやって、自分の中にナレッジ(知識)を貯めていくから安定したメンタル&収益が生み出せるのだと思っています。自分はこの点は非常に重視していて、メインで見るチャートは10年ぐらいほぼ同じものを使っています

福寄さんのチャートへの愛情も、トレードで勝つための重要な要素の1つと言える

 良さそうなインディケーターを見つけて使っていても、少し勝てないとすぐに次のインディケーターに移ってしまう浮気症の人も多いのではないか。こうした、福寄さんのチャートへの愛情も、トレードで勝つための重要な要素の1つと言える。


 次回は、「伝説のトレーダー大集合」ということで、西原宏一さん、志摩力男さん、松崎美子さんによる為替マーケットの展望を紹介予定です。

「『FX友の会 in 東京2014』潜入レポ(4) もしも、日本国債が暴落しそうになったら…」へつづく)

(取材・文/ザイFX!編集部・庄司正高 撮影/和田佳久)

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