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ウワサの「FX友の会」潜入レポート(2)
日本人が知らない英国のEU脱退問題とは?

2012年12月04日(火)12:50公開 (2012年12月04日(火)12:50更新)
ザイFX!編集部

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「ウワサの『FX友の会』潜入レポート(1) 「天の恵み」というほど高勝率の手法とは?」からつづく)

前回から引き続き、11月17日(土)に開催された「FX友の会 IN 大阪 2012 秋」の様子をお伝えしよう。

艶っぽいFX解説でおなじみのアノ人も再登場!

 参加者からの質問に答える「なんでも相談コーナー」には、前回東京で開催された友の会で波紋を巻き起こした佐野裕さんが再登場。バカラ村さんとのタッグで質問に応じてくれた。

【参考記事】
「FX友の会 in 東京 2012」レポート(4) 一生忘れられない紳士のテクニカル講演!

参加者からの質問に耳を傾ける佐野裕さん(左)とバカラ村さん(右)

 「豪ドル/円を82円85銭で売って踏みあげられている」という参加者から「どうしたらいいのか?」という切実な質問も。

 前回のようなオトナっぽいセクシーな「佐野節」は封印、まじめに答えていた。

 「私もいやというほど損切りを経験してきました。でも、『嫌々の損切り』じゃなくて、『損切りが口座を守ってくれるんだ』と心からわかったとき、そして、『損切りをしながらもトータルで勝つことができるんだ』ということがわかったとき、はじめて『勝てるトレーダーへの扉』が開く」

 と、佐野節のもう1つの特徴である、「相場弱者」の側に寄り添った親身な言葉遣いで、損切りの大切さを語ってくれていたのが印象的だった。

トレーダーとしての実感のこもった話で、「損切りの大切さ」を説いた佐野裕さん。

なぜ、ユーロ/米ドル下落を完全的中できたのか?

 佐野さんとは対照的に生真面目なキャラクターのバカラ村さんも、相場予測の方法論を具体的に教えてくれた。

 バカラ村さんに寄せられたのは「11月前半のユーロ/米ドル下落をどう予測したのか」という質問。その理論的な回答は実に圧巻だった。

 「これは10~12月でいちばん取りたいと思っていたトレードでした。予測のベースとなったのが変化日。11月1日(木)頃にユーロ/米ドルで何らかの変化があるだろうと思ってました。

 じゃあ、米ドルが上がるか、下がるかは、サイクル的に見て下がるだろう、と。それだけでは自信が持てないんですが、1つや2つじゃないテクニカルが補強してくれたんです」

11月前半のユーロ/米ドル下落を自信を持って予測し、トレードしたというバカラ村さん。その根拠をわかりやすく解説してくれた。

「市場間ダイバージェンス」ってなんだ!?

 そう言って、バカラ村さんが並べたのはこれらの根拠。

(1)米ドル/カナダドルの上昇
この通貨ペアはドルインデックスの先行指標となりやすい傾向があり、カナダ銀行(カナダの中央銀行)が利上げ方向にあったにもかかわらず上昇したということは、米ドル高を示唆。

(2)米ドル/スイスフランのダイバージェンス
米ドル安傾向にあったが、ダイバージェンスが出現。米ドル高トレンドへの転換を示唆。

(3)米ドル/スイスフランとユーロ/米ドルの「市場間ダイバージェンス」
通常、米ドル/スイスフランが安値をつければ、ユーロ/米ドルは高値をつけることが多い。

今回はともに米ドル安トレンドだったが、米ドル/スイスフランは安値を更新していたのに、ユーロ/米ドルは高値を更新せず、異なる市場でのダイバージェンスが出現。米ドル高トレンドへの転換を示唆。

市場間ダイバージェンス(クリックで拡大)

 これらからバカラ村さんは米ドル高を予測。ユーロ/米ドルの転換、さらには「ダイバージェンスのあとには半値戻しが起こりやすい」と戻り高値のメドまでを予測し、的中させた。その鮮やかなお手並みは圧巻のひとこと。

影の目玉・覆面トレーダー「えふ」さんの正体とは?

 ここで、司会を務める奈那子さんから「ワタシが独身だったら間違いなく口説いてる(笑)」という紹介のもと、登場したのは今回の隠れた目玉である覆面トレーダーの「えふ」さん

 FXトレーダーとしても活躍してきた兼業トレーダー。自身の経験はもちろん、FX会社やIT企業でFXの裏側を支えてきた経験から「勝てるトレーダーの考え方・やりかた」にも精通している――そんなふれこみだったのだが、「あっ、えふさんってこの人!?」とピンときた。

参加者がこぞって絶賛した「レンジのどこで入るか」

 えふさんはFX業界の裏側で確かに活躍している人物。ザイ!FX記者も以前、ある件で打ち合わせしたことがあった。まさか個人投資家としても成功していたとは…。

 「自分は上に行くか、下に行くかは今も全然わかりません。でも、FXでお金って絶対残せる!と思ってます。……絶対? わりと、たぶん……残せると思ってます(笑)」(えふさん)

 そんな感じで始まった、えふさんのセミナー。終了後に参加者に聞いたところ、「えふさんのマルチタイムの考え方は参考になった!」なんて声を多数聞いた。

 えふさんが熱心に説明していたのは、「レンジのどこで入るか」

 「ここはもみ合いそうだ、流れそうだという節目がわかっていれば、FXは勝てる。動いている相場で上か下かを予想するよりも、ダメだったらすぐ逃げて、いい場面だけをとらえる。それだけだと思ってます」

レンジ狙いは大きな足の動きに巻き込まれるリスクがある

 えふさんが節目を見るのは、ボリンジャーバンドピボットフィボナッチ・リトレースメント直近の高値・安値など。

 米ドル/円の80円に節目があったら、80.1円ぐらいまで下げたところで買っていく――そんな考え方をしがちだが…

 「特に複数の足の節目が重なったポイントが下にあれば近づいたときに買いたくなるし、勝率は高い。でも、そうした勝率が高い場面は、『アゲインストにいったとき、リスクが大きい場面』なんです。1つ大きな時間軸の足のトレードに巻き込まれてしまうことがあるから」

 ちょっとややこしいかもしれないので、下図を参考に。1つの足だけでレンジや節目を見ていると、思わぬリスクがあるということだ。

レンジの考え方(1)

大きな足のリターンを小さな足のリスクで狙う

 「15分足のレンジの上限、たとえばボリンジャーバンドの上の端で買う人は少ないかもしれませんが、15分足の節目の『壁』は、1時間足の壁よりもやわらかい。

 15分足の上の端で買って壁を破れば、1つ大きな時間軸である1時間足のレンジ幅が狙える。その代わり、うまくいかなければ、15分足のレンジ幅だけ損失になる可能性が高いです。つまり、1時間足のリターンを15分足のリスクで狙えるんです。

 そして、このような小さな足のレンジブレイクを狙うには、経済指標など相場を動かす材料が発生する時や、東京タイム→ロンドンタイム、ロンドンタイム→NYタイムの移行期など、弾みで相場に動きが出やすいタイミングを狙うのが良いと思います」

 レンジの考え方(2)

 この考え方、目からウロコだった人が多かったようだ。手法の紹介じゃないから、聞いてすぐ使える話ではないけれど、じっくりと考えてみる価値がありそう。

「英国のEU脱退」が来年には表面化する!?

 友の会の最後を飾ったのは、酒匂隆雄さん西原宏一さん松崎美子さんらによるフリートーク&質問コーナー。

 ここで注目されたのは松崎美子さんが教えてくれた、英国以外ではほとんど報じられていないある大きなニュース。

 「英国民の間では英国のEU(欧州連合)脱退という機運が高まってきています。すぐというわけではないですが、早ければ来年の第三四半期、遅くとも2014年の欧州議会選挙までには議論が表面化してくると思います。

 EUとしては、4番目に大きな予算拠出国であるイギリスの脱退は避けたいし、イギリスとしてはスイスのように貿易面での利点は守りつつも負担を減らしたい。『英国vs欧州』の流れがいずれ出てくると思います」(松崎さん)

最後のフリートーク&質問コーナー。左から酒匂隆雄さん、松崎美子さん、西原宏一さん、奈那子さん。ロンドンから駆けつけた松崎美子さんは英国で議論されている「英国のEU脱退」について話してくれた。

表面化すればギリシャどころじゃない大問題になりそうな、この気になるニュースを聞けたのはこの日の参加者だけ。盛りだくさんなセミナーはさらに懇親会へと続いて幕を閉じた。

(取材・文/高城泰(ミドルマン) 撮影/ザイFX!編集部)


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