■ユーロ/スイスフランのトレード戦略は?
さて、このような動きとなっているユーロ/スイスフランをトレードするとしたら…。
防衛ラインを割れそうになったらSNBが何とかしてくれる(スイスフラン売り介入してくれる)はずなのだから、1.2000フラン付近でユーロ買い・スイスフラン売りをやるという作戦が考えられるだろう。
山っ気を出すなら、専門家が何と言おうと、「相場に絶対はない」と考え、ユーロ/スイスフランが1.2000フランを割れて崩落していく万が一のケースを狙って、ユーロ売り・スイスフラン買いを狙う手もあるかもしれない。SNBの対応にもしも不備があったら、市場にとってサプライズ。その場合、ユーロ/スイスフランの値動きはとてつもなく大きなものになりそうだ。
いずれにしても、SNBが本当に介入してきたときに、それと逆行するポジションを持っていたら、すぐ対応しないと大変なことになるだろう。
【参考記事】
●為替介入で大暴落したスイスフラン! 大損失を被った個人トレーダーも!?
だから、適切なストップロスを入れて取引するなど、リスク管理は必要だが、その前にユーロ/スイスフランを取引するには、ユーロ/スイスフランが取引できるFX口座を持っていないと話にならない。
■ユーロ/スイスフランのスプレッド競争最前線は1.8pipsか
ユーロもスイスフランも主要通貨だが、この2つが組み合わさったユーロ/スイスフランという通貨ペアは、日本ではマイナーな存在。どこのFX会社でも取引できるというわけではない。
そこで、主要FX口座のユーロ/スイスフラン取り扱い状況とスプレッドを調べてみた。それをまとめたのが以下の表だ(シストレ口座など、特殊な口座は省き、一般的な店頭FX口座に絞ってまとめた)。

(※)スプレッドはすべて、例外あり。
これを見ると、SBI FXトレード、外為どっとコム[外貨ネクストネオ]、マネーパートナーズ[パートナーズFX]など主要なFX口座でも、ユーロ/スイスフランを取り扱っていない例があることがわかる。
逆にユーロ/スイスフランの取り扱いはものすごく珍しいというほどでもないようだ。結構多くのFX会社が取り扱っているが、その一番狭いスプレッドは1.8pipsで横一線(原則固定か、そうでないかの違いはあるが)。
今回はすべてのFX会社をくまなく調べたわけではないので断定はできないが、1.8pipsといったあたりがユーロ/スイスフランのスプレッド競争最前線のようだ。
ユーロ/スイスフランの取引をしたい人は、ユーロ/スイスフランが1.8pipsのスプレッドで取引できるGMOクリック証券[FXネオ]、YJFX![外貨ex]、DMM.com証券[DMM FX]、ヒロセ通商[LION FX]、JFX[MATRIX TRADER]、セントラル短資FX[FXダイレクトプラス]などに口座を開き、準備をしておいたらどうだろうか。
■スイスフラン絡みの通貨ペアで証拠金率引き上げの動きも
ユーロ/スイスフランがSNBの設定する防衛ラインに近づく中で、FX会社の中には、スイスフランが絡んだ通貨ペアの証拠金率を引き上げる動きも出てきた。
サクソバンクFX証券では、2014年9月8日(月)より、スイスフランに絡んだ18通貨ペアの証拠金率を引き上げた。
サクソバンクFX証券は今回の措置について、「ユーロ/スイスフランが1.2000フランを割り込んだ場合には相場の変動リスクが非常に大きくなるため」と説明している。
ザイFX!が調べたところ、スイスフランに絡んだ通貨ペアの証拠金率引き上げといった措置を実施しているFX会社はサクソバンクFX証券以外には見当たらなかった。ただ、さらにユーロ売り・スイスフラン買いが進むことになれば、他のFX会社にも動きが出てくるかもしれない。
>>>サクソバンクFX証券[スタンダードコース]の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>GMOクリック証券[FXネオ]のスペック詳細はザイFX!の比較コンテンツでご覧ください
>>>YJFX![外貨ex]のスペック詳細はザイFX!の比較コンテンツでご覧ください
(ザイFX!編集部・庄司正高&井口稔)
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