昨日の欧州序盤では、ドル円は117円台の前半。ユーロ円も高い。月曜日の日本のGDPの発表で若干のドタバタがあったが、総じて円売り圧力の強さには変わりがない。ドル円やユーロ円での押し目買いの姿勢が強く、そして実際に押し目も浅くなりつつある。20ポイントでも押し込まれれば、そこは買い場となってしまう。それだけ上昇相場には心理性が出てきている。
黒田総裁の会見では、注目されたのは追加緩和についてであった。先月末にせっかく追加緩和をしたというのに、消費増税の先送りとなったのだから、日銀総裁そして強引に推し進めたのだが、完全に梯子を外された格好になっている。海外のメディアでは追加緩和分をいったんは取りやめるのではないかとさえ書かれていた。これをどのように取り繕うのか。しかしそこは「政府が総合的に決めること」としてはぐらかされてしまった。また「追加緩和しなければよかったとは思わない」とくぎを刺しておくことも忘れなかった。
欧州時間ではドル円が117.50を超えてきて、その後は高値張り付きのまま、動きが鈍くなった。確かに5ポイント、10ポイントと、高値を広げてきているのだが、何分にも走らない。私もトレンドフォローとしょうして何度もドル円のロングで攻め入るのだが、5ポイントとってはまた買い直しの繰り返しだった。上がっているのだからという簡単な理由で、ロングで容易に儲かっているわけではない。いつ反転時期を迎えてもいいように身構えておくので大変な数時間であった。
117.75あたりまで高値を広げたところまでは見届けたのだが、ちょうどポジションがなくなったところで寝てしまった。夜中にはドル円は118円台にも乗せたようだ。結局、海外時間を通じて、ドル円もユーロ円もひたすら上がっていたようだ。押し目らしい押し目も作らずに。それは今日のアジア時間の早朝の、ドル円の再度の118円台乗せとなって現れた。
昨日の夜がまったく押さない状況でのドル円、ユーロ円の上昇となってしまったので、たいへん腰の強い展開となっている。アジア時間でもひたすらドル円の高値追いは続き、118円台の後半まで上り詰めてきた。
今晩は多くの経済指標がアメリカから出てくるが、多すぎてどれに反応すべきか判然としない。注目点は円安がこのまま続くのかという一点に集約されそうだ。ドル円は再び117円台とかありうるのか。あるとしたら、その要因は何か。米国株の続落くらいしか原因になりそうなものはないが、どうなることであろうか。
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