昨日の欧州序盤ではドル円は119円台を目指す動きが強まった。市場全体のリスク許容度の回復に向けての動きだろう。ロシア不安が取り除かれれば、一気に米国株や欧州株は2週間前のレベルに戻るだろうし、それにともなってドル円も元のレベル、すなわち121円台とかまで簡単にもドルと踏んでいるわけだ。
そう考えると118円台の後半でも買っていく人には、まだまだ安く思えて仕方がないのだろう。そして実際にロシアンルーブルの相場は落ち着いている。火曜日に対ドルレートで80台をつけたという後の動きとしては、65台の為替レートというのは市場に安心感を与えるには十分だ。
そして欧州序盤では世界的な追加緩和の話しもたくさん出てきた。まずはスイスがマイナス金利を導入したということだ。マイナス金利自体がどのくらい金融緩和に有効であるのかは、いまだに不明だ。しかしアナウンスメント効果だけはあるようで、マーケットはリスクテークに傾く。そして中国も追加緩和の一環として、短期の流動性の供給をおこなった。ドイツ株など欧州株は大きく上昇する。
そしてプーチン大統領の会見が始まった。すでにロシアは政策金利を劇的に上げており、一服はしているものの、それでも通貨安であることには変わりがない。この差し迫った状況の中でも、プーチン大統領の発言は強気なものに聞こえた。ロシアはプラス成長を続けているとか、通貨安はそのうちに正常化するだとか。
プーチン大統領が強気の姿勢を示していたことで、マーケットはますますリスクオンとなった。グローベックスでの米国株は大きく上昇。ドル円は118円台の前半まで調整を強いられていたところだったが、118円台を割り込まなかったこともあり、拾っておこうという意欲が強まった。
スイス、中国、ロシアと、これだけ材料が出たのだから仕方がない。私もちょっとずつではあるが、何度かドル円をロングでトライし、10ポイントほど取っては、すぐにやめることの繰り返しに勤しんだ。
米国株が始まると、それにともないドル円も上昇。119円台に乗せてきた。そのまま高値追いが続くのかなと思いながらも私は寝てしまったが、原油価格が再び54ドル台まで下落。それがややリスクテークの勢いに水を刺したようである。サウジの石油相がOPECが減産すると市場シェアが低下するとの懸念を表したからのようだ。
ニューヨーク時間ではもっぱらドル円は利食い売りにさらされた。しかし米国株は上昇一服だったのが、終盤に一段高。これまでの価格調整がウソのように、再び歴史的な最高値に接近してきている。
今晩はイベントがない。そうなると原油価格の行方が気になるところである。アジア時間では54ドル台になっており、今週につけた今年の最安値まであと1フルポイントもない。これがマーケットにどのようなトリガーを起こすのかを注視したい。
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