■2015年は新年早々株も為替もスピード調整のタイミングか
2015年新年早々、マーケットは揺れてきた。ドルインデックスは上昇し続けているものの、株式市場の荒れと相俟って、円の買戻しが進み、リスクオフの動きが鮮明化しているとも読み取れる。
もっとも、対円を除いた米ドルの全面高は、ユーロ/円、英ポンド/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の全面安を意味するので、米ドル/円が連れ安となって、頭が押さえられやすいことも自然の成り行きだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨vs円 4時間足)
その上、株式市場との連動は昨年(2014年)年初のパターンと似ているし、昨年(2014年)10月末の日銀追加緩和以降における円のオーバーショートから考えると、サプライズとも言えないだろう。株も為替もスピード調整のタイミングに差し掛かっているとみる。
米ドル/円の場合、アベノミクス以降、日経平均との連動性を強めてきたので、まず、株式市場のパフォーマンスに左右されやすいだろう。
(出所:米国FXCM)
そして、日経平均は基本的に外部要因、すなわち、米国株の動向に左右されやすいので、米国株動向次第とも言える。
年末年始(2014-2015)の米国株市場の荒れた値動き自体、大いなる安定期の終焉を示唆するサインと受け止める。
【参考記事】
●安定期過ぎた2015年はサプライズに注意!米ドル/円の上値は125円程度が妥当(2014年12月26日、陳満咲杜)
■米国の利上げが米国株の下落につながる可能性も
このところ、米国のファンダメンタルズは堅調さを増し、米早期利上げ観測が高まっている。今夜(1月9日)の米雇用統計が良ければ、一段と米ドルを押し上げることも想定される。
一方、最近の米株式市場における神経質な値動きは早期利上げに対する懸念とも読み取れ、利上げ観測こそ、割高な米国株を修正させるキッカケとなる公算が高い。
換言すれば、利上げ観測が高まるほど米国のファンダメンタルズが強ければ、それは米国株、米ドルを押し上げる材料とはなるものの、利上げ自体が現実的になってくれば、それは一転して株を押し下げる材料になりかねない。
そして、株式の調整と相俟って、円の買戻しが進むことも容易に推測されるので、「米経済指標が良ければ米ドル買い」といったロジックは、短期スパンにおける有効性はなお維持されるとしても、中期スパンでも通用するとは限らないかもしれない。このあたりの認識が、2015年の新年相場において重要であろう。
では、肝心の米国株には、どんなシグナルが点灯…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)