昨日の欧州序盤では、ドル円が118円台の前半まで押し込まれて始まった。そもそもアジア時間で117円台から切り返して118円台まで急上昇した後だっただけに、この下げ具合はちょっとビックリ。このまま道連は119円台まで完全復帰するものかとも思われた矢先のことだ。
確かに欧州序盤ではナイトセッションでの日経先物も、グローベックスでの米国株も下げ基調で推移していたのは事実だ。それでも欧州株はそれほども下がっていない。むしろECBの追加緩和への期待感も高まってきており、リスク相場にとっては好材料。それでもクロス円は重い足取り。ユーロ円は今年に入ってから日足で陰線を付ける日が続いており、140円の大台を割り込んできてからはさっぱりである。
マーケットの注目を集める原油相場は、アジア時間に44ドル台まで突っ込んでしまっている。それ以上は進んでいないことから、あまり関心事とはなっていないようだ。軟調に見えた株価もニューヨーク序盤にかけては強ぶくんできた。ドル円も再び118円台の中盤まで戻してきたが、クロス円が重いため、前日のように簡単に119円台までは戻し切れないでいる。
どうもうまく相場に乗れない。激しく動いてるからではない。あまりにも値段が軽いからである。思うに、この3か月間はドル円の変動性は大きい。つまりボラティリティが高いのだ。ということはオプションのプレミアムも高くなるわけで、年末年始の119円から120円台で固まっていたときに、普通に安くオプションを買おうと思っても4~5円ほどのアウトになってしまう。多くのオプションプレーヤーは自分で買える金額のオプションしか買わないものだ。
ということは115円とか125円にならないとストライクレートを迎えない。積極的なヘッジの買いや売りが出てこないということだ。いうまでもなく細かくオプションをポートフォリオで管理するようなガンマトレードに励むのは市場の一部でしかない。だから117円台や118円台は下がってきても、スカスカなのだろう。ともかくも相場の引っかかりどころを探りにくい状況の下では、なかなか自分のポジショニングも構築しにくい。
ニューヨーク時間では株価は大きく上昇してのスタートとなった。ドルは全面高となって、ユーロドルも昨年来の安値に急接近。やはり来るべきところに来てしまったなあ、という感じ。何度落ちても、すぐに歴史的な最高値をつけにいく米国株のようなものだ。しかし夜中にオバマ大統領が、議会にイスラム国を攻撃する承認を求めたという報道が流れて、一気にリスク回避に向かった。米国株は急楽。ドル円は117円台に逆戻り。何とも軽い値動きである。
今日はアジア時間でドル円は118円を割り込んだ。まだまだふらふらする相場展開が続きそうだ。ニューヨークオープン前にはJPモルガンなど金融大手の企業決算もあるが、あまり影響は出ないだろう。今は景気のマクロ指標がマーケットをリードしているからだ。やはり原油相場と株価の動向に関心が集まっている。
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