金曜日の欧州序盤では、ドル円は118円台の前半。これはアジア時間で118円台の後半をさんざんにやった後のことである。だから当然のごとく、上値攻めでのしこりがきにかかるところ。これから投げ売りも誘発されて、ここ最近の下値のメドとなっている117円台の前半まで突っ込むのか。それもユーロドルの反発など、ドル売りの支援があれば相場に入りやすい。
しかしユーロドルのほうも1昼間に1.13台の後半まで攻めて垂れてきているところなので、自律反発は難しい。需給的にも下方向のほうが攻めやすい。すると欧州勢もユーロドルのショート攻めで参入したようだ。ユーロドルはあっさりと1.12台まで下落。なかなか戻さない。
やはり週末にギリシャの総選挙を控えて、ユーロの保有ポジションを整理しておこうという意欲のほうが強そうだ。ドル円もなかなか下がらない時間が続いた。ドル円はあきらめてユーロドルの下げでプレイしたほうが面白くもあり、効率的でもありそうだ。
ニューヨークオープン前にユーロドルは1.11台に突入。1.2000割れとか節目では何度か売ってみたものの、値動きが不安定で長くショートポジションを持っていられるものではない。すぐに買い戻したりしても、やはり相場は重いまま。ユーロドルは1.1114まで安値をつけた。急速につけた差し込みの場合は、その反動も急なものだ。
ユーロドルはすぐに50ポイント以上も反騰し、やはり短期的なストップロスをつけにいったのかなということになる。その後は誰も売らなくなったのだから…。でもそうなると今度はユーロのショートポジションの踏み上げの心配も出てきた。そしてニューヨーク序盤では案の定、ユーロドルはショートカバーが先行。1.12台の後半まで買い戻された。
週末にギリシャの総選挙が終わって、サマラス党首が敗北宣言を出した。つまりギリシャがユーロ圏から離脱する可能性が高まったのだ。早朝からユーロは全面安でスタート。ユーロドルは今年の安値を下回ってきて、瞬間的に1.10台まで突っ込んだ。
これから何が起こるのかわからない状況下でのポジション整理は一巡したものと思われて、東京時間ではやや落ち着きを取り戻し、ユーロは反発していく。それでも先週末の安いレベルに依然として押し込まれて安いままだ。
今夜の海外市場ではこのギリシャ情勢の見極めに時間が費やされることだろう。ユーロドルは1.12台に戻しては来たが、値を維持できるのかどうか。もしくは朝の安値である1.1098を下回ってくるようにふるまうのか。短期的な流れに乗っかってトレンドフォローでついていくのはいいが、思い込みを持って構えると大きく損を出す可能性がある。マーケット同様に、見極めに時間をかけたいところだ。
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