■米ドル/円は当面下値を模索する展開が続くか
加えて、現時点(4月16日)での為替相場の焦点はユーロであり、ユーロが対米ドルに加え、対円でも下落基調を続けていることが、米ドル/円の上昇を抑制しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足)
122円でトップアウトした米ドル/円は、当面、下値を模索する展開が続きそうです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■ギリシャの「Grexit」の可能性はさらに高まる
一方、今週(4月13日~)に入ってもギリシャの「Grexit」(ユーロ圏離脱)の可能性はさらに高まっています。
【参考記事】
●ギリシャが5月中旬以降、ヤバい理由とは? 鉄鉱石価格暴落で豪ドルはまだまだ下がる
4月13日(月)には、米大手銀行モルガン・スタンレーが、ユーロ/米ドルは年内にパリティ(1ユーロ=1米ドル)まで下落すると予測。
ゴールドマンサックスはすでに「ユーロ/米ドルは2015年年内にパリティまで急落」と予想しており、米大手銀行が揃って、ユーロ/米ドルは2015年年内にパリティを突破すると予測していることになります。
(出所:米国FXCM)
4月14日(火)のフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)では、「4月末までにギリシャと債権者の合意がまとまらないと、5月と6月にIMF(国際通貨基金)に返済する償還資金が準備できず、デフォルト(債務不履行)の準備を進めている」と報道。
ギリシャ政府関係者はこの報道を否定していますが、現状のままだと、ギリシャの国庫が空になるのは時間の問題で、債権者と合意できなければ、ユーロ圏で前代未聞のデフォルトとなる可能性が高まっています。
■ドラッケンミラー氏の「Grexit」に関するコメントが話題に
そして昨晩(4月15日)は、ブルームバーグテレビジョン(Bloomberg TV)に、ドラッケンミラー氏(※)が登場。このインタビューの中で彼が「Grexit」について「たぶんね(Probably)」と答えたことが話題に。
報道によれば、彼は他の市場については
(1)中国経済の改善
(2)原油価格の上昇
(3)FRB(米連邦公開市場委員会)の年内の利上げはない
と予測している模様。
その原油価格は彼の予測どおり、昨日(4月15日)、56ドル台へと大幅反発。
(※編集部注:ドラッケンミラー氏はヘッジファンドのファンドマネジャーとして、長年に渡って高い収益を上げてきた人。1992年にはジョージ・ソロス氏の片腕として、英ポンドを売り浴びせ、英国を欧州通貨制度(ERM)から離脱させて、10億ドル以上を稼ぎ出したと言われている。これがいわゆる「ポンド危機」)
(出所:米国FXCM)
ドラッケンミラー氏を筆頭に、多くのヘッジファンド、大手米銀も「Grexit」が既定路線であるかのように予測。
「Grexit」の可能性が高まることに加えて、ECB(欧州中央銀行)が、マイナス金利とQE(量的緩和策)でユーロ安政策を進めている、ユーロ/米ドルの行方に注目です。
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