■米ドル/円の下放れは「ダマシ」だった!?
米ドル/円に関しては、先週(4月17日)、118.70円(4月3日安値は118.72円)割れの有無が重要ポイントと指摘したが、4月17日(金)、20日(月)共にザラ場において118.70円を下回ったものの、終値はこの節目以下とはならなかった。これは、この下放れが一種の「ダマシ」である可能性を示唆している。
この視点からは、米ドル/円の調整が118円台に留まり、深押しを回避できる可能性が浮上。しばらく高値圏での保ち合いが続くだろう。
【参考記事】
●浜田氏の購買力平価論は本当に正しいか?ドル/円の流れ、見極めポイントは118.70円(2015年4月17日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
この場合、短期スパンにおいては昨日(4月23日)作成した下のチャートの指示どおり、3月高値から米ドル/円は「下落トライアングル」に近い保ち合いパターンを形成していく可能性が高いだろう。
(出所:米国FXCM)
このシナリオは、ドルインデックスのシナリオと相俟って、目先、もっとも有力視される。
■米ドル/円をエリオット波動でみると今は何波なのか?
より長いスパンで米ドル/円を見てみると、2014年7、8月安値を起点とした大型上昇波は、3段階にわけられる。
(出所:米国FXCM)
2014年10月1日(水)高値110.08円までを第1段階と見なせば、2014年10月15日(水)安値105.19円までは明らかなスピード調整局面。そして、その安値から2014年12月8日(月)高値121.69円まではもっとも強い上昇波を展開した。
2014年10月安値から12月高値までの上昇は、上昇波における推進波と位置づけられ、さらに値幅とスピードが上昇波の中で一番だったから、エリオット波動論ではもっとも強い第3子波とみることができる。
そして、もっとも強い第3子波の後に続く調整波は長くなる傾向にあるから、2015年2月上旬まで続いたトライアングル型調整は、前述のカウントとつじつまが合う。
■118円台への深押しがあれば、122円台トライに向かう
したがって、2月上旬からすでに推進子波5に入っているとカウントできるが、値幅にしても、スピードにしても同じ推移波である1や3とは比べものにならないほど小さな程度に留まっており、これは最終子波の特徴を表している。
また、この最終子波自体、上昇ウェッジ型などの「変体」パターンになりやすいことに照らして考えてみると、3月高値からの保ち合いは、なお上昇波の一環と見なすことができ、これから118円台への深押しがあれば、その後、122円の大台をトライすることになるだろう。
以上のカウントのイメージは以下のとおりだ。
(出所:米国FXCM)
ファンダメンタルズ的には、4月追加緩和の思惑が後退しているものの、思惑が残されている以上、米ドル/円の支えになる見通しは変わらず。
ただし、追加緩和の有無はかなり流動的になっているので、あまり追加緩和ばかりに頼ってはいけないと思う。このあたりの事情、また次回詳説へ。市況はいかに。
(14:00執筆)
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