昨日の欧州序盤ではユーロドルは1.13台のミドル。前日の高値が1.1369だったが、そこをとらえにいくステージであった。ここ2、3日で大きく切り返してきているユーロドルだったので、上げ圧力が強い。アジア時間でも、ほとんどゆるまなかった。1.1340から1.1360までの間を行ったり来たりしながら、上サイドへの突破をうかがっているようだ。
でも見ていると、下がるときは1ポイントずつゆっくりとしか下がらないのに、上がるときは2ポイントも3ポイントも飛んで上がっていく。つまり上がるときのほうがフットワークが軽い。それだけロンドン勢も上げに乗りたい、上がるならついていきたいという思いなのだろう。
私も夕方のこの時間帯では、ロングでもショートでも攻めてみた。感想としてはショートでもっていかれるときはすぐに損切りさせられるのに、ロングの場合のアゲインストは結構、値保ちが良いということだ。やはり上なのだろうか。このまま1.14台まで達するようならば、そこから買っていってもアナザー50ポイントは取れそうな感じ。
ところで先週から続いている債券相場の崩れは、さらに深刻になってきている。ドイツ債の先物は開始と同時に大きく値下がり。2フルポイントも急落している。フランスでの入札が不調に終わったということも一因だろうが、そもそも連日の下落で地合いが悪すぎた。
たった2週間前までは10年ものの利回りもゼロ%を目指してたというのに。マイナスの利回りが無念に終わったので、その反動という側面もあるだろう。この債券価格の下落が株価の下げを導いているので、これまでの量的緩和を主軸とした金融相場のちょうど反対のことが起こっているのだ。つまりユーロドルの上昇もドイツ債の下げが止まらない限り、当面は続くものと考えられる。だから欧州債からは目が離せない。
その欧州債、中でも中心の役割を果たしているドイツ債がやっと反転の兆しを見せはじめた。そうなると株価も反転基調になってくる。ユーロドルも1.14台には届かず、1.1391までが高値の限界だった。そこからは一転して急降下である。同時進行的に欧州債の切り返しと株価の上昇も進行している。
そうした外部要因を材料にして、私も何度もユーロ売りで臨んだ。10ポイントずつ小刻みに取りにいった。失業保険のデータが発表される前には、ユーロドルは1.12台に突入してきた。
ニューヨーク時間では債券相場でのパニックも完全に静まっており、マーケットのリスク許容度も回復した。米国株が上値追いに転じるとともに、ドルは買い戻しに向かった。ドル円は119円台の後半までおよそ1円近くも上昇し、ユーロドルも1.12台の中盤まで落ち込んで、なかなか戻りのない状態となった。そして今日のアジア時間では1.12台割れまで喫している。
さて今晩は雇用統計である。就業者数は23万人くらいの増加が見込まれている。しかし今回もADPの雇用指数が悪かった。前回もADPがとても悪かった後の、雇用統計は悪かったので、同じようなことを連想すると、今回もあまり期待しないほうがよさそうだ。
あまり良くだろうというのがマーケットのコンセンサスになっている以上、就業者数が普通に20万人以上であれば、こんなに良かったのかということでサプライズとなる。つまりドル売りのほうには反応しづらく、ドル上昇のほうがポジションを張っていても効率のよい勝負となりそうだ。
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