昨日は英米がともに休み。この5月下旬はクリスマスについでの閑散なマーケットとなる時でもある。米英系の会社では、この日には仕事が少ないので新人の歓迎会などをやることが多い。
先週のドル高の流れのままに、ドル円もユーロドルも先週来のドル高水準で張り付いている。ドル円はアベノミクスが始まって以来の最高レベルである122円台まであとわずかというところまで上がってきている。それだけ121円台の後半というのは緊張を強いられるレベルでもあるのだが、今年の3月にちょろっと122円台乗せしているので、それを超えてくるまでは依然として118円台から122円台までのレンジ内の動きと見る向きもある。
確かにもう一つの材料が欲しいところだ。ファンダメンタルズ面から見ると、ドル金利の上がるほうが先に来るわけだから、ドル円はいつ上がっても不思議ではない。しかし最初の利上げがかなり先延ばしになりそうなくらいに、昨今の経済指標が悪い。それがドル円の上値追いを妨げているともいえる。それがある程度、はっきりしてくるまでは積極的なドル円の買いも控えられそうである。
一方でユーロドルも1.14台からの押し込みが激しい。あっという間に1.09台まで下がってきた。これも1.1050を割りこんできてからの下げ圧力が強まっている。ちょうど年初からのユーロ下落でユーロドルは1.04台まで突っ込んだ。そこからの戻しがしばらくは1.1051までだった。
何度もそこで押し返されているうちに、ようやく超えてきて1.14台にまで達したのだ。今度は逆に1.1051近辺がサポートとなってしまい、何度も跳ね返されたことはまだ記憶に新しい。それがようやく下向きバイアスになっている局面というわけだ。ここでは1.04台までの全戻しまで考えられる。
ユーロ売りには材料に事欠かない状態に変わりはない。6月7月に向けてのギリシャの債務返済の問題。それにともなうユーロの緩和姿勢の強化。およびドルの利上げ時期。FRBは6月利上げを完全に排除していないので、もしもあればそれは大きなドル買い材料になるはずだ。いずれにしても6月、7月のマーケットは忙しくなりそうだ。しかし残念ながら、どちらに動くのか、予想もできない。
また欧州ではスペインの選挙結果で、ギリシャと同じようにやはり急進左派が躍進したようであり、本日の欧州オープンを前にユーロドルは一段安。ユーロドルに下落に背中を押される形でドル高が進み、ドル円も今年の高値を更新してきた。引き続き要ウィッチである。
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