昨日の欧州序盤では、ドル円は124円台の後半。これは前日に125円台をアタックしたが、きれいに乗せ切れなかったので若干の利食い売りを呼び起こしている状態だ。一方でユーロドルは1.09台の前半。こちらも動きがめっきりなくなってきていて、一日あたりの変動幅も小さいままだ。ユーロドルが50ポイント動いても、その先をフォローしていっても怖くなるのが最近の為替相場である。
昨日の欧州時間ではイギリスの金利動向が注目された。BOE(英中銀)の金利会合に合わせてカーニー総裁が会見するのもそうだし、同時発表のインフレ報告の内容も気になる。とくにアメリカの金利動向と同じく、利上げ時期を見極めたいというのがマーケットの関心の中心だ。
そして内容は利上げを急がないといった、ハト派的に見えるようなものだった。いちばん先に利上げに転じる先進国はイギリスだと思っていた人には、ちょっと物足りない。為替相場が総じて小動き名中、英ポンドだけは下落に向かった。他の通貨ペアが動いていない分だけ、ポンドの下げが異様に目立つこととなった。
ニューヨーク時間ではややドルの全面安になる局面もあったが、やはり値幅は小さいものにとどまった。雇用統計を控えているので無用な動きは慎まれているところなのだから、仕方がない。
さて今晩はアメリカの雇用統計だ。就業者数は22万から23万人の増加が見込まれている。先日のADPの民間調査が悪かったので、マーケットとしては多少悪くても驚かないという態勢になっている。
反対に23万人を超えてくるようであれば、9月利上げもやむなしということで債券相場と株価の双方が大きな下落を強いられることになりそうだ。為替相場への影響としては、最初の反応は金利上昇を好感してドル買いとなって、しばらくしてからリスク回避からのドル円やユーロ円の下落となるだろう。私もそうした展開だと見ているのだが…。
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