昨日は中国の株安が意識されて、日本でも株安となった。そのあおりをうけてドル円も頭は重い。欧州序盤では124円ちょうどアラウンドでのスタートとなった。そこへいきなり北朝鮮のロケット弾の話が出てきた。韓国軍と交戦中だとか、様々な話が伝わってくる。ナイトセッションで日経先物は2万円の大台割れを喫している。これは地政学的なリスクの高まりなのだから、当然の動きだ。
問題はドル円である。日本の近くで軍事問題が出来というだけで円売り材料。しかも古株のトレーダーたちは有事のドル買いだと思っている。ドル円的には上げ要因でしかない。しかし1990年代の後半以降は欧米の株価が大きく値上がりしてくる過程で、マーケットはリスクのありように振らされることが多くなった。
つまりリスク的には株価などが下がる一方で、ドル円やユーロ円は下がるというパターンが定着して久しい。だから瞬間的にどちらに反応していいのか、その直後の時点ではわからない、迷うのだ。私も素直にドル円では手が出なかった。この点、株や債券では方向がわかっているから、手を出しやすいのだろう。
私も迷ったが、マーケットも迷った。ドル円はやや下がったとは言うものの、どちらかというと124円ちょうどをはさんでの小動きに徹したからだ。その間、グローベックスでの米国株は大きく崩れ、また日経先物も19800円台に突入するなど、状況は緊迫している。ドル円がショックアブソーバーの役割を果たせていない。
ニューヨークオープンが近付いてきて明白になってきたのは、ドル売りの流れだった。ユーロドルが1.11台の後半まで上がってきて、いよいよ先日、失敗した1.2台乗せをトライというところだった。まあ、米国株も安いことだし、これからリスク相場の流れにもなるだろうと考えて、私は動きの鈍いドル円を売っていった。123.71だった。
日付が変わる頃になって、ギリシャの総選挙のトピックが流れだした。すでに国民投票を行ったが、その結果、つまり緊縮案を拒否したはずだったのに、あっさりとEU提示の緊縮案を飲んでしまったのが、ギリシャ政権の与党内部で対立を起こしている。政権運営もうまくいかない。
これでは総選挙もやむなしなのだが、問題は選挙した結果、緊縮を進める政権ができあがるのかということである。マーケットの不安定要因がひとつ増えたのだ。私はドル円の利食いは123.00で、損切りは124.00で置いておいたのだが、朝までダンにはならなかった。
ドル円は今日のアジア時間、ランチタイムになってから下がってきた。さすがに日本株も大幅安を目の前にして、リスク重視の姿勢が前に出たものだろう。私は当初の予定通りに123.00のちょっと手前で買い戻したが、122.80あたりまで差し込んでいる。
今晩も経済指標など、ファンダメンタルズはまったく無視されることになりそうだ。注目は依然として下げ続けている中国株の動向と、昨日、再燃したギリシャ問題である。それを見極めるには株価をウオッチしているのがよい。株価の上下が市場心理を表すものと見て、それに合わせてドル円をトレードしていきたい。
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