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【第6話】 西原さんが使っているテクニカル分析とは? その2
~Dinapoliと「フィボナッチ」について~
■フィボナッチとは?
みなさん、こんにちは!
初心者から中上級者までFXトレード戦略を学べる実践的FXメルマガ「ザイFX!×西原宏一 トレード戦略指令!」のナビゲーター、葉那子です。
さて、前回はDinapoli(ディナポリ)チャートの基本をご紹介しましたが、今回は、Dinapoliチャート分析に必要不可欠な「フィボナッチ」についてもう少し詳しくご説明したいと思います。
イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチ氏は、花びらの数やかたつむりの殻のうずの広がり方など、自然界には「1:1.618」という比率が多く存在することを発見。
歴史的建造物のピラミッドやパルテノン神殿にもこの「黄金比」が用いられているのですが、相場の世界でも、値動きを予測するツールの1つとして使用されているんです。
テクニカル指標として使われるフィボナッチには、いくつかの種類がありますが、一番スタンダードな「フィボナッチ・リトレースメント」は、上昇トレンドの押し目、下降トレンドの戻りの目安になります。
■Dinapoliでは、フィボナッチの目安は、38.2%、61.8%がよく使われる
23.6%、38.2%、50%、61.8%、76.4%あたりが一般的によく使われる比率ですが、Dinapoliのフィボナッチ・リトレースメントは、38.2%、61.8%がメインとなります。
■フィボナッチ・リトレースメント チャート |
フィボナッチの引き方はとっても簡単。たとえば、チャート上で上昇トレンドを見つけたら、フィボナッチ描画モードの状態で、上昇トレンドの始点となる安値と、直近高値の2点を結ぶだけ。
すると、その上昇トレンドの38.2%や、61.8%戻しにあたる値を自動で算出してくれ、チャート上に表示してくれます。
フィボナッチは、外為オンライン、楽天FXなど多くのFX会社のチャートツールに搭載されていますので、まだ使ったことがないという方は、ぜひお試しください。
ただし、フィボナッチの引き方に絶対の正解はありません。
というのも、見ているチャートの時間足によって、どこをトレンドの始点とするのかが異なってきます。
日足の大きな流れでは上昇トレンドであっても、1時間足で細かく見てみると、直近のトレンドは下降だったりということもあります。
とにかく色んな時間足でたくさん線を引いてみて、ご自身のトレードスタイルと相性のいい引き方を探すといいと思います。
ちなみに、日足や週足といった長い時間足のフィボナッチは、多くの投資家が意識するということもあり、結構ピッタリと機能することが多いですよ。
■「フィボナッチ・エクスパンション」は、ターゲットの目安を見る
そして、もう1つご紹介したいのが、「フィボナッチ・エクスパンション」。
リトレースメントは、トレンドの押し目や戻りの目安として使われるのに対し、エクスパンションは、上昇トレンド中に一旦押し目を作った後、次はどこまで上昇するかというターゲットの目安を算出してくれます。
リトレースメントの算出には、トレンドの始点と直近高値という2点を結ぶのですが、エクスパンションに必要な点は3点。
<上昇トレンドの場合>
(1)トレンドの始点(安値)
(2)直近高値
(3)直近の押し目でつけた安値
<下降トレンドの場合>
(1)トレンドの始点(高値)
(2)直近安値
(3)直近の戻りでつけた高値
Dinapoliでは、上記3点を結んで算出される61.8%、100%、161.8%を3つのターゲットとし、それぞれ以下の名称がつけられています。
COP:フィボナッチ・エクスパンション61.8%
OP :フィボナッチ・エクスパンション100%
XOP:フィボナッチ・エクスパンション161.8%
■フィボナッチ・エクスパンション チャート |
西原さんの場合、これら3つのポイントを意識しながら、その時々の値動きによって利益確定の判断をしているそうです。
ただ、その辺りの裁量が難しいという方は、まずは第一目標のCOPまで到達したらポジションの半分を決済、OPまで伸びたら残りの半分を決済、そしてXOPですべて決済、といった分割決済の目安に使うのも1つの手です。
■「コンフルエンス」「アグリーメント」でより強いサポートを探そう!
さて、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションの基本的な使い方をご説明しまたしたが、Dinapoliにはこれらを複合的に使った「コンフルエンス」と「アグリーメント」という手法があります。
まず「コンフルエンス」では、2つのフィボナッチ・リトレースメントを使用します。
フィボナッチは、いろんな時間足で引くことができると先ほどもお伝えしましたが、同じ直近高値(直近安値)と、複数の異なるトレンドの始点となる安値(高値)で引いたフィボナッチ・リトレースメントが重なる部分を「コンフルエンス」と言います。
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たとえば、日足で見た時の上昇トレンドに引いたリトレースメントの38.2%と、4時間足で引いたリトレースメントの61.8%が重なる(もしくは接近している)部分は、1つのリトレースメントで引いた時よりも強いサポートになりやすいと考えます。
もちろん、一寸の狂いもなくぴったり重なることはほぼありえませんが、始点を変えて何本かリトレースメントを引いてみると、意外と複数の線が接近しているのを見つけることができます。
そして、もう1つの「アグリーメント」では、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションを使います。
■アグリーメント チャート |
こちらも2つのフィボナッチの値が重なるという考え方は、コンフルエンスと一緒。
直近のトレンドに引いたリトレースメントと、一旦反転した後に引いたエクスパンションの値が重なる部分は、強い抵抗帯になりやすいのです。
たとえば、直近の上昇でつけた高値を(A)として、そこから(B)までやや反落した後、再び(C)まで再上昇したとします。
この場合、まず(A)までの上昇トレンドにフィボナッチ・リトレースメントを引きます。
そして、(A)、(B)、(C)の3点でフィボナッチ・エクスパンションを引き、リトレースメントの38.2%とエクスパンションの100%(OP)が接近していれば、その価格帯は一旦、下げ止まりやすいと考え、ショートポジションを持っていれば、利益確定の目安になります。
なかなか文章だけでは理解しづらいと思いますので(この文章だけで理解できた方はスゴイと思います笑)、ぜひ「会員専用WEBサービス」に掲載しているチャートや、西原さんの書籍『30年間勝ち続けたプロが教える シンプルFX』の第6章「ディナポリ・チャート」をチェックしてみてください。
(第7話につづく)
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