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【第5話】 西原さんが使っているテクニカル分析とは? その1
■Dinapoliチャートとは?
みなさん、こんにちは!
初心者から中上級者までFXトレード戦略を学べる実践的FXメルマガ「トレード戦略指令!」のナビゲーター、葉那子です。
さて今回から数回にかけて、西原宏一さんが実際に分析に利用しているテクニカル分析について説明します。
Dinapoliチャートとは、40年以上ものトレード歴を持つ、世界的に有名なジョー・ディナポリ氏が考案した、移動平均線に独自のアレンジを加えたチャート分析です。
ディナポリ氏は、このDinapoliチャート分析とフィボナッチ級数を組み合わせたトレーディング手法を開発し、その手法は西原さんをはじめ、世界中のプロのトレーダーから支持されています。
(「ザイFX!×西原宏一 トレード戦略指令!」 メルマガ配信例)
AUDUSD日足の25*5DMA AUDUSD(豪ドル 米ドル)日足は、8/10に25*5DMAに接触してから今日で6日目です。 |
通貨ペアはその時々で異なりますが、テクニカル的に重要な局面にあるものが取り上げられ、該当するチャートのキャプチャ画像は、「会員専用WEBサービス」(10日間の無料期間終了後に閲覧可能 https://zai.diamond.jp/fxmail/nishi/index )で見ることができます。
ちなみに、Dinapoliチャートは、ボリンジャーバンドや一目均衡表のようにメジャーではないため、搭載しているFX会社はあまり多くありません。
セントラル短資FXの[FXダイレクトプラス]の「クイックチャートトレードプラス(QCT+)」には標準でDMAとフィボナッチが入っているのでDinapoli分析が可能です。
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■ディナポリはMT4でも使えます!
高機能チャートツールとして人気の、メタトレーダー(MT4)のチャートでは、Dinapoliチャートのテンプレートを無料でダウンロードしてチャート上に表示することが可能です。
Dinapoliチャートをご覧になりたい方は、メタトレーダー(MT4)を取り扱っているFX会社にデモ口座を作ってみてはいかがでしょうか。
[参考サイト] ●ザイFX!×MT4 https://zai.diamond.jp/mt4 |
■まずはDMAを知ろう!
Dinapoliチャートには、DMA( Displaced Moving Average・ずらした移動平均線)という3本の移動平均線と、MACD、ストキャスティクスの3種類のテクニカル指標が表示されています。
今回は、メインとなるDMAからご説明しましょう。
3本のDMAは、それぞれ以下のパラメーター設定となっています。
(※線の色は「トレード戦略指令! 会員専用WEBサービス」に掲載しているDinapoliチャートで使用している色です。MT4のデフォルトは黒背景のチャートですが、西原宏一さんのセミナーなどで伝えやすくするために、白背景にこの色の組み合わせにしています。)
DMAは、数ある移動平均線の中一番スタンダードなSMA(Simple Moving Average・単純移動平均線)をアレンジしたもので、3*3DMAは3SMAを右に3本で、7*5DMAは7SMAを右に5本、25*5DMAは25SMAを右に5本ずらして表示したものです。
移動平均線をずらすことで、ちゃぶつきの多い相場でも、しっかりとトレンドを捉えることができるというメリットがあります。
基本的な見方は、通常の移動平均線と一緒で、DMAとローソク足の位置関係や傾きによって相場のトレンドを判断するのですが、Dinapoli分析では、そういったパターンに独自の名称がついています。
■スラストを見つけよう!
Dinapoli分析の基本パターンが、強いトレンドを表す「スラスト(Thrust)」と呼ばれるものです。
連続して8本以上のローソク足が3*3DMAの上で推移している、もしくは、連続して8本以上のローソク足が3*3DMAの下で推移している状態を、「スラスト」と呼びます。
もちろん、DMAの上にローソク足がある場合は上昇トレンド、DMAの下にローソク足がある場合は下落トレンドを意味します。 ただし、単にDMAの上にあればよいのではなく、上昇や下落の勢いがある状態がスラストです。
このスラストの出現を発見したら、今度はエントリーのタイミングを狙います。
■「シングルペネトレーション」と「ダブルレポ」
上昇トレンドでの押し目買い、下落トレンドでの戻り売りを狙う手法を「シングルペネトレーション」、大きなトレンド転換を「ダブルレポ」と言います。
それぞれ、例を挙げてご説明します。
【シングルペネトレーション(上昇トレンドの例)】 1.3*3DMAの上で連続して8本以上のローソク足が推移しているのを確認(スラスト)したら、ローソク足が終値で3*3DMAを下抜けるのを待つ
2.3*3DMAをローソク足が終値で下抜けたら、スラストが開始した辺りの安値から直近高値でフィボナッチ・リトレースメントを引き、38.2%に到達したらロングエントリー
3.損切りはポイントは、フィボナッチ61.8%を終値で下抜けたところ、もしくはもう少し浅い50%
4.利益確定ポイントは、押し目の下落でつけた安値と直近高値を結んだフィボナッチの61.8% |
【ダブルレポ(上昇トレンドから下落トレンドに転換した時)】 ダブルレポはトレンド転換の強力なサインとなり、基本的には日足以上で判断します。
以下は、上昇トレンドから下落トレンドに転換した時の、ショートエントリーを狙ったトレードです。
1.日足以上のチャートで上昇トラストを確認し(連続して10本以上のローソク足が3*3DMAの上で推移している状態で、できれば15本以上が望ましいとされます)、終値で3*3DMAを下抜けるのを待つ 2.3*3DMAを1回下抜けた後、一旦上昇して、3*3DMAを一度上抜けた上で、最初に3*3DMAを下抜けた時から、ローソク足が10本以内に、再び3*3DMAを終値で下抜けたところでダブルレポが完成し、大きな流れが変わります。 これにより大きな流れが変わるのでこれまでとは逆方向のトレードを考え、押し目や戻りを待つことになります。 3.ダブルレポの失敗による損切りポイントは、ダブルレポが完成した時の高値から安値で引いたフィボナッチの61.8%(トレンド転換に失敗し、元のスラストに戻ったところ) イメージとしては、チャートパターンで有名なダブルボトムやダブルトップが近いと思いますが、ダブルレポは細かい条件があるので、出現確率はシングルペネトレーションほど高くありません。日足であれば1年に1回か2回程度ではないでしょうか。 スラスト、シングルペネトレーション、ダブルレポなど、あまり聞き慣れない言葉に最初は戸惑うかもしれませんが、しくみを理解すれば、意外とシンプルなチャートパターンです。 |
次回は、Dinapoliチャート分析で必要不可欠なフィボナッチについて、もう少し詳しく解説します!
(第6話につづく)
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