昨日は昼間の日銀会合でノーアクションと出た。そしてそれまで期待感だけでリスクテークしていたポジションのアンワインドが起こり、日本株は急落。ドル円も簡単に119円台に沈んだ。私はこの局面でドル円をショートに振ってみたのだが、その後がいけなかった。
自民党の山本議員が「ドル円は130円でも構わない」みたいなことを発言したので、マーケットは急速に切り返した。日本株の戻りとともにドル円も簡単に120円台まで戻した。山本議員は安倍首相自身への影響力の強い人だということだ。だからその人の口から発する経済マターへの提言は、政策につながりやすいものとされている。
TPP交渉が一段落ついた直後で、通貨安競争には神経質になっているはずのこの時期に、このコメントだ。金融政策でも動けないだろうと思われていただけに、たとえリップサービスみたいなものだと思っていても、そのインパクトは無視できないものがある。私も材料が材料だけにドル円ショートはさすがに損切りした。出直しを図るためである。
自分が不安を感じた割には、どの後のドル円の伸びは驚くほど小さいものであった。ドル円は120円台に乗せるのがやっとで、119円台にも押し戻されたりする。ニューヨークオープンまで待っても、ドル円は120円ちょうどを挟んでの狭い値幅の動きのみ。20ポイントくらいしか動かないのだ。
このような政治的なコメントは外人の好むところでもあり、結構素直に反応するのが過去の例だ。だからドル円はもっと上がるのではないかと考える市場参加者も多かったはずだ。ニューヨーククローズに至るまで、為替相場は小さい値動きだった。ドル円だけに限らず、ユーロドルも100ポイントも動かず、1.12台のままだった。
さて本日は中国が大型連休明けだ。注目の中国株は大幅高で始まったが、これは連休中に背秋的に株価が上昇したことのツラレ高だから、まったく驚きはない。問題はその後だ。午前中のセッションでは中国株はその大きな上げのおよそ半分を失っている。始値から見ると、かなり激しい陰線を引いていることになる。これがマーケットにややリスク回避の行動を促している。
日本株も下落に転じ、上値は重い。グローベックスでの米国株も大きく値を下げている。そこで私も昨日の損切りの分を埋め合わせるために、再びドル円をショートに振ってみた。損切りどころは120.20あたりだと考えている。昨日の戻し切れなかったレベルだからだ。
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