■米ドル/円上昇継続のカギを握るNYダウ
ただ、12月に米利上げを控えて、米ドル高トレンドは変わらず。
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この米ドル/円の上昇継続のカギを握るのは、このコラムでも何度か取り上げましたが、NYダウの動向です。
【参考記事】
●NYダウは節目到達、調整あって仕方なし。日本生命が豪ドル/円相場を下支え!?(10月15日、西原宏一)
●日銀会合はゼロ回答との予測が浸透。ドル/円はなぜ、118.06円で下げ止まった?(10月22日、西原宏一)
7月まで堅調に推移していた日経平均と米ドル/円ですが、8月後半のNYダウの急落に連れ、米ドル/円が一時、116.15円まで急落したことは記憶に新しいところ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
そのNYダウですが、5月高値と8月安値の61.8%戻しが1万7212ドル。10月中旬にはその61.8%戻しの水準を上抜き、再び1万8000ドルをうかがう展開。
(出所:CQG)
8月の米ドル/円の急落を誘引したNYダウが再び底堅く推移していることから、外部環境からの米ドル/円急落懸念は大方払拭されたと言えます。
一部で期待された日銀の追加緩和が見送られたため、米ドル/円の上昇スピードは緩慢ですが、前述のように、NYダウは堅調、それに伴い、日経平均は2万円をうかがう展開でリスク許容度は良好。
そして、郵政3社上場も成功裏に終了。
【参考記事】
●郵政グループ3社上場成功で日本株活況! 12月米利上げに向けてドル高トレンド不変(11月5日、西原宏一)
■12月の米利上げ濃厚で米ドル需要が急増する可能性も
加えて、マーケットではベーシススワップ(※)の拡大が話題になっています。
(※編集部注:「ベーシススワップ」とは異なる変動金利同士を交換する取引のこと。同じ通貨同士で行なわれるものと、円と米ドルなど異なる通貨間で行われるタイプのものがある。ここで話題になっているのは後者)
(出所:CQG)
もともと越年の米ドル調達にはコストがかかります。
今年(2015年)は、12月の米利上げが濃厚となってきたため、ベーシススワップが拡大。つまり、米ドルを市場に出す参加者が減少しており、米ドル需要が急増する可能性が高まっています。
このベーシススワップの拡大が12月に向けて、米ドル上昇を後押しする流れになるとの見方も増えてきました。
ともあれ、日経平均も2万円に向けて反発中。米金利の上昇にもかかわらず、NYダウも底堅い動きとなっています。
(出所:株マップ.com)
10月15日(木)から続いている米ドル高トレンドは変わらず、米ドル/円は125円に向けて上昇中。
(出所:ヒロセ通商)
12月に向けて、じり高の展開が続く米ドル/円の行方に注目です。
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