昨日は週明け。先週末に出た雇用統計の消化具合を探る日になるはずだった。まずは雇用統計が良かったことで、ドル金利の先高観が高まってきており、それに従ってドルは変われている状況だった。ドラギ総裁の発言でユーロドルが上がった、つまりドルが下がったのだが、そのレベルからはだいぶドルは買い戻されて週明けを迎えている。
ドル買いに走りたいが、やはりドラギ総裁の失望発言で400ポイントも上がってしまったユーロドルに対して逆張りしていくのはやりづらい。ユーロドルは半値も押し込まれていないのだから、需給的にもポジション的にもまだユーロショートのシコリは存在するはずだ。
では一方でドル円はどうかというと、こちらも8月のドカッと落ちたときのマックス戻しが123円台の後半なので、123円台から買い始めるのは困難である。いかにもドル買い遅れの感はいなめないし、どうせ買うならば123.80とかがついてから買っていくほうが得策だろう。
そういうわけでドルの行方は不明になってきつつあるが、昨日の海外市場での関心は原油安であった。すでに40ドルの大台を割れて推移している原油価格。戻らない以上は、再び安値突っ込みする可能性も高い。
OPECが総会で減産を決定しなかったことが理由になっているが、実情は短期的なポジション調整のほうが強いのだろう。大台を1ドルずつ下がってくるたびにストップロスの売りを誘発しそうな雰囲気である。原油安が進むと、雇用統計でせっかく盛り上がった株価も台無しになる。
原油価格は早々に38ドル台に突入してきた。そしてニューヨーク時間に入ると、原油相場はまったく戻らずに37ドル台を狙っている。ドル建てのコモディティの下落はドルの価値を押し上げる。
私もドルを買っておこうと思って、ドル円をスモール買っておいた。しかし夜中はドル円は10ポイントほどしか動かなかった。朝起きてすぐに同値でポジションをクローズすることとなった。
今日も経済イベントが少ない。しかし昨日の原油安を意識して、高止まりしていた日本株もやっと下がってきた。日本株はボーナスシーズンに向けての新規の投信設定もあるので、なかなか下がらなかったのである。
これで少しは市場全体もリスク回避に向かいやすくなったものと思われる。今晩も原油価格を用ウオッチになる。原油価格は8月の中国不安の際のリスク回避の局面で37.75まで下げたのだが、昨日の下げで37.50までつけて今年の安値を更新している。一段の投げ売りも出やすい状況であることに変わりはない。
日本時間 15時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)