昨日の欧州序盤では、ドル円は120円台の後半であった。その前日に原油は34ドル台まで突っ込んだものの、底打ち感が強くて、それにともなってマーケットのリスク許容度が回復してきたからである。
アジア時間でもドル円は121円ちょうどをはさんでの小動きに徹した。基本的にドルの売り手のほうは引っ込んでしまっている。120円台の前半を何度も見てしまったため、戻り途中の121円台では売りにくいのであろう。
ユーロドルも同じく、ドル高方向に進む。欧州序盤で1.10台の中盤を超えてきたものの、その後はひたすらに下げ続けた。1.09台に突入してくると、為替相場が全体的にドル高に向かった。ドル買い安心感が広がった。私はドル円の121円台を買っていきたくはなかったので、同じドルを買うのならばと、ユーロドルを売りこんでいった。
経済指標の発表前で、1.0988であった。それまでの最も安いところを売らされて、イベントを迎えることになったわけである。まあ、指標で大きく動くならば、それでもよい。何も考えずに損切りできるからだ。1.1000で買い戻しのストップ注文だけ置いておいて、指標を待つ。
指標としてはCPIとエンパイア景況感が出たのだが、マーケットはどちらに反応したのかはわからなかった。ただ目の前で見えるのは、ドルが上がっていることである。
ユーロドルも1.0950に向かって下がってきているので、自分の関心は反転して上がってきてしまうことだけ。ドル円も121円台にクリアに乗せてきている。米国債が下がっているので、きっとCPIが高かったのだろうと考えて、ドル金利のいっそうの上昇を期待する。
このステージでのユーロドルの下げは1.0945あたりまでだった。確かに戻りもしないので、オーバーナイトで持ちこしてもいいのだが、今週はタイトストップが何度も引っかかっているので、体力は低下している。
だからどうしても利食い千人力になってしまう。だがこれは仕方のないことだ。それに眠くもあった。私は利食いして寝てしまったが、夜中にドルは一段高していた。もったいないが、こんなことも飲み込む気持ちも重要である。
今晩はFOMC。すでに25ベーシスポイントの利上げは完全に織り込まれている、いまさら利上げを見送るということはないであろう。原油安を理由に利上げを見送ったならば、それこそ今年最大のサプライズとなる。問題は市場のコンセンサス通りに利上げが終わった後に、ドルは上がるのか下がるのか、である。
短期的にはポジションはドルロングがたまっている。値動き的にドル高のレベルがどんどん進まないと、ポジション調整のためのドル売りに押される局面も考えておかないといけない。もちろん視点は次の利上げ時期にシフトしている。来年の3月になるだろうと思われているが、これをイエレン議長の会見内容から見ていくしかない。
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