昨日はまた中国不安でマーケットがダウンサイドリスクにさらされた。ドル円はアジア時間から下落。日本株が大幅安するにつれて、ドル円もリスク回避で118円台を割り込んできた。
私も118円台の前半から、ちょろちょろとドル円をショートにしては買い戻すことを繰り返していた。ここのところ欧州序盤でクロス円の売りが出てくるパターンが続いているので、わたしも本格的なドル円ショートは夕方まで待っていた。
そして実際に欧州序盤ではユーロ円が下がってきた。ついに126円台である。なんだか130円を割れてきてからというもの、ユーロ円はほとんど戻り場を作らずに、毎日、値を切り下げてきた。私もドル円を117.77から売っていった。
どこまで下がるかはわからない。10ポイントのアドバースムーブでロスカットするつもりで、突っ込み売りするだけである。欧州株も、ナイトセッションの日経先物も、どんどん安値攻めをしているから、その間は心強い。
しかしドル円の下げは117.35あたりまでだった。もちろん急反発するわけでもなかったので、速攻でポジションクローズに走る必要もないのとは思った。それでも底値から10ポイント戻ったところということで、117.43では買い戻してポジションをきれいにした。
中国の金融政策でマーケットが混乱している。為替相場を誘導するのは、どこの中央銀行もやっていることだから仕方がないのかもしれない。しかしサーキットブレーカーを発動するので株安が止まるというのは、実に前時代的である。
日本やアメリカにも値幅制限はあるが、それはあくまでも時間的にしばらく様子見をさせるだけのこと。冷却期間をおいて、こんなに安くても売り込むのかを再確認する程度のことでしかない。そもそも取引を停止したからといって、株安は避けられるのかという根本的な問題が残る。
本当に売りたい人が売れたくなるのは危ないのではないかという考えだ。スピードを抑える必要はあるのだろうが、それをルールで制定することなのかどうか。もっと底値があるのではないかと、さらなる不安を煽ることにもつながる。そして実際に昨日は、中国のサーキットブレークは取りやめると公表されている。
ニューヨーク時間では中国のアクションも好感して、株価など戻す局面もあったのだが、終盤には再び売りこまれてしまい、リスクオフからは免れなかった。それにつれてドルもミニ全面安に。だが本日は人民元の基準値が、今度は引き上げられたということで、反発している。
今晩はアメリカの雇用統計である。市場のテーマが地政学的リスクと中国経済に偏っているので、ちょっと影が薄くなっている。先日出てきた民間調査の雇用データはたいへん良かったので、すでにマーケットでは良くて当たり前の雰囲気が蔓延している。
だから就業者数など、多少良くてもマーケットは反応しきれないだろう。それよりも20万人の増加を下回った場合など、資本市場の足腰が弱っている今だけに、リスク回避の勢いの高まりに要注意である。
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