昨日はクロス円のショートカバー態勢の続いている中での海外市場入りだった。アジア時間ではドル円は下がりそうにもなったが、なかなか111円台に突入することができず、どちらかというと底堅い印象を与えた。
言うまでもなくユーロ円も底堅い。リスク相場の指標にもなりうる中国株は大きく下げている一方で、日本株は堅調な地合いをキープした。両極端なので、参考にはならない。
欧州時間では為替相場はあまり動かなかったが、ニューヨーク勢はドル買いで参入したようだ。ドル円は112円台の中盤を超えてきて、なおも力強い。
経済指標のほうはマチマチだったのが、なにかしらのリスクテーク材料を探っていたのだろう。いよいよG20も近付いてきたことで、それに向けた期待ベースのポジショニングもしておきたいところだ。
原油相場もはじめは緩い状況だったが、3月にも4か国協議を開くという見通しが出てきて、急反発に向かった。それがマーケット全体の安心感にもつながり、米国株が反転・上昇。
ニューヨーク終盤にはドル円は113円台にタッチしてくるなど、日本円は全面安となった。ユーロ円は振り返ってみると、一方的な上げを演じている。
今晩からG20の会合が上海で始まるが、コミュニケなど文言が出てくるのは土曜日になってからになる。それまでは各国の要人がバラバラに発言するだけにとどまることになる。
だから本当のマーケットでの消化具合は来週の月曜日になるまではわからないが、思惑としてはわざわざ会合を開くというのに失望することは言わないだろうというのが楽観的な観測だ。
しかしホスト国の中国がリップサービスも含めて現実味のある見解を出してこない、つまり市場の期待ほどに降下のありそうな経済対策を表明しない限りは、依然として失望売りの危険をはらんでいる。個別の発言に振らされないで、思い切ってトレードは休んで、週明けの早朝から手を出したほうが無難なのではないかと思う。
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