先週はよくドル円が上下した。111円割れをアタックしたこともあれば、週の後半には114円台乗せしそうなところまでメクリ上げられて、そのまま高値引けをしている。それは中国株の大幅下落もあったし、絵原油相場が持ち直したといっても依然として安値圏で低迷しているからだ。
週の後半では上海で開催されるG20への期待も高まってマーケット全体がリスクテーク気味になったのも事実だ。なにもファンダメンタルズは変わっていない。何も新規なことはないのに市場のムードだけで相場が動いてしまっている。
先週の金曜日の欧州序盤のテーマは、もっぱらG20だった。ドル円は徐々に値を上げてきて、113円台に乗せてきた。そしてユーロ円も底堅い。やはりG20筋から何か目新しいことでも出てくるのを怖がっているのが見て取れる。
私もドル円やユーロ円をショートで攻めるのは困難だと覚悟していた。無理して流れに竿を差す必要もないであろう。しかしG20のコムに家などが出てくるのは土曜日になってからである。ちょっと金曜日のうちにポジションを積極的に取りにくい。
今週はG20が終わって、その成果のありようがどうなのかを探る場となる。そもそもG20で何か新しい対策が出てくると考えるほうがおかしい。すでに打つべき手があるならば、市場がパニックに陥っている間にアクションを起こしているだろう。20か国も集まって議論できるのは、単にいっしょに協同して立ち向かいましょう!と掛け声を合わせるだけだ。
そして実際に明確な手段は出てこなかった。それゆえに期待ベースで作ってしまったポジションの揺り戻しが懸念されるのである。ドル円は114円台乗せを試しにいったのは朝がただけで、あとはズルズルと下落し、112円台にまで落ち込んできた。
そして今週は週後半のアメリカの雇用統計が注目される。今回の雇用統計の結果が、3月利上げがあるかどうかの最後の試金石となるためだ。金曜日に出たアメリカのGDP改定値は良かった。
経済成長の面から見ると、利上げはやむなしの感じである。雇用に問題がなければ3月利上げは確定的となるだろう。そうなると日銀やECBの会合での追加緩和期待は、影が薄くならざるをえない。
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