昨日は日銀の金利会合が終わって、何も目新しいことがなかったのは予想通りだった。それを受けて、期待だけで進んでいたリスクテークの分がはがれてくるような相場展開となった。ドル円は黒田総裁の会見の中盤からすでに緩みはじめ、次第に値を崩してきて、欧州序盤では112円台に突入。ユーロドルが動いていない分だけ、ユーロ円がモロに下がる。
アメリカの経済指標はたくさん出てきたが、それぞれマチマチの結果となって、相場の反応は芳しくない。基本的にはすでにFOMCに向けての様子見が始まっているととも言えるだろう。ニューヨーク時間の後半ではややドルの買い戻しが入り、ドル円は113円台に戻してきた。米国株はまったくの狭いレンジにとどまった。
今晩はFOMCである。事前の予想では利上げをしないことになっている。だからすでに注目は声明文のなかの文言のほうに移っている。利上げのペースに関する議論だ。今回は見送るにしても、世界経済が落ち着いてきたならば順当に利上げを開始するのかどうかである。
あまりハト派的な内容だと、これだけ雇用や賃金が良くなってきているのに、まだ注意を振り向けないといけない何か悪材料が隠れているのかと、マーケットに不安を抱かせやすい。理想論から言えば、基本路線を「ゆるやかなペースでの利上げ」モードであることを再確認させるような文章のほうが、市場はリスクテークに傾きやすいであろう。
ともかくも明日の朝になってから、すでにある程度の値動きを確かめてからでも、手を出すのは遅くはないだろう。夏時間なので、発表は3時である。我々、日本人にとっては早起きするにも、ちょっときつい時間帯だ。まあ、二度寝すれば良いのだが、イエレン議長の会見も含めて、マーケットがどちらに反応したのかを確認してからの参戦にしようと思う。
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