昨日は欧州時間でドル円が激しく動いた。欧州序盤でドル円は112円台を割り込んでくると、もう目の前に今年の安値である110.97が望める位置に来たことになる。もちろん何度かは引っかかるであろう。
それだけ今年の最安値というのは重いものだ。しかしターゲットしているのは事実であり、111円台の突入からは下手にドル円を買ってロングにはできない。私も111円ちょうどあたりがサポーティブだと想定して、111円台でのショートポジションで何度も攻め立てた。
あまり大きな反発はなかった。20ポイントのリトレースもなかったのではなかろうか。何度かドル円のショートで入ってはすぐに買い戻してと、繰り返した。その間、ユーロドルもやや高い。いまだにFOMCでの決定が尾を引いていて、ドルを売らなければならない状況なのだろう。
ドル円は111円割れの手前で多少はもんだが、昼間からの下げ幅が2円近くもあるのでアゲインストのポジションを持ち続けている人にとっては堪らない。そうした逃げのオファーもあって、まったくドル円相場は値を戻さなかった。そしてついに110円台に突入。110.70あたりまで突っ込んだ。ちょうどBOEの金利発表の直前くらいである。
その後の戻り方が異常だった。それまでに戻りらしい戻しを作らずに下がってきただけに、1円以上の急反発は金融当局による介入を思わせるものだった。そもそもアメリカはドル高を嫌っているのはFOMCの声明文の中身の通りだし、通貨安競争を促すような通貨介入は許されるはずもない。
だから日銀が介入とかしないだろうと頭では考えてはいても、やはり介入警戒感だけは高いのである。自分がナイト思っていても、他の人が警戒していたら、マーケットはそのように動いてしまう。だから軽々しく無視はできないのだ。
ドル円は111円台の後半まで急上昇し、短期的なショートはすべてカットさせられたという感じだ。そして本格的なニューヨーク勢の参入となった。すでに下も上もやったという感じで、ニューヨーク時間自体は111円台を中心とするつまらない展開となった。ドル円が再度の下値押しをしなかったのは、米国株が上昇幅を広げてリスクオンになったから助かったという側面もある。
介入はないのだと冷静に考えると、やはりドル売りをしたくなる。それが今日のアジア時間にも現れている。朝からドル円はまったくラリーせず、ズルズルと後退。再びドル円は110円台に突入したりしている。
目先はちょっとドルを買って持っているわけにはいかない状況に陥ったようにも見える。もう111円台で売ろうにも111円台の前半でしか売れない。しかしここはしっかりと売り込んでいかねばならないのであろう。
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