昨日はアジア時間でドル円が軟化。そして欧州序盤ではドル円が今年の最安値を下回ってきた。フレッシュゾーンなので、当然のごとくロングポジションの投げ売りも出る。そして110.50をも下回ってきた。こうなってくると時間帯と関係なしに、なんちゃって介入の場面が出てくる。
日銀が為替介入で実弾を使ってくるのではないか、との憶測でそうさせるものだ。みんなが介入を警戒していることの現れだ。30ポイントでも40ポイントでも、暴力的にドル円が急上昇する。それでも30秒ももたない。
もともとからして介入なんかありえないとも思われるからだ。そこでドル円の下げ局面で逃げ遅れた人々のフローがたくさん出てくる。押し込まれて元のレベルまで戻ってくるのもまあ速い、速い。
そういうわけでドル円は行ったり来たりしながらも、110円台のミドルを維持。さすがに110円割れはトライするのを嫌がっているようにも言える。ちょうど大台なので、心理的な節目だということもある。今年の最安値を下回ってくる以上の、引っ掛かりがありそうにも見える。
アメリカの経済指標では良い悪いマチマチ。ドル円は110円台の中盤を外れなかったが、今度は手薄になっていたクロス円が売られだした。欧州株の下げ幅が拡大してきて、グローベックスでの米国株も一段安してきたからだ。そのためのリスクオフである。ドル円が下値突っ込みをしそうにもないので、私は早々に寝ることにした。
夜中に安倍首相の発言が伝わって、ドル円は110円割れを喫したようだ。通貨安競争は良くないだとか、単独の介入は効かないだとか。普通のことしかしゃべっていないのに、ドル円は110円割れを意識している局面でもあったので、それで一気に109円台に突入したようだ。それで一時的に達成感が出たものか、ドル円は早急に値を戻して、朝には110円台の中盤近くまで戻してきている。
昨日は米国株も続落となった。このところ上昇を続けてきていて、歴史的な最高値も臨んでいる位置にまえ上がってきていただけに、これが下げ始めるとリスク回避の流れに勢いをつけることにもなりかねない。
今晩は大きな経済指標はないのだが、原油相場もにらんでの株価動向には要注意だ。米国株が下げ幅を拡大してくるようだと、ドル円もかなり深く下押しする覚悟をしないといけない。
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