「Yahoo!ファイナンス版」と「ブルームバーグ版」を比べると、18時16分に更新されて、追記された部分がわかる。追記されたのは、記事公開後の当日の相場の動きと何人かのエコノミストのコメント、もしくはリポートからの引用だった。藤岡徹記者はこの追記された部分の執筆を担当したのだと考えられる。

結局、「日銀が貸出金利にマイナス金利を適用する案を検討している」というこの記事の中核部分は日高正裕記者が執筆したことがわかる。
以上、「中核部分は日高正裕記者が執筆」ということについて、「Yahoo!ファイナンス版」と「ブルームバーグ版」の比較を中心に記したが、これは当初の「ブルームバーグ版」を見た筆者の記憶とも一致しているし、ネットの一部に記録されている当初の「ブルームバーグ版」のキャプチャ画像とも一致している。
なお、この記事の英語版は現在、「BOJ Officials Are Said to Eye Possible Negative Rate on Loans」というタイトルになっており、ここでは「BOJ Officials」(日銀関係者)という言葉が使われている(このタイトルは重要なポイントとなっているので、次回以降に詳しく触れたい)。
そして、この英文記事は海外の投資家にも非常に大きなインパクトを与えたのではないかと思われる。

■追加緩和ムードが高まるが緩和見送り、相場は暴落!
このブルームバーグの記事を受けた相場の動き、ネット上の個人トレーダーの反応などを見ていると、今回は「日銀は追加緩和するんだろう」という熱気がムンムンと高まっていることが感じられた。
筆者自身も当該記事を見た当初は追加緩和はあるだろうと考えるようになっていた。この記事は日銀内部からのリークによって書かれたものであり、新政策に対する市場の反応を見るために、日銀が打ち上げた観測気球だろうと当初は考えていたからだ(この点については次回以降に詳しく触れる)。であれば、日銀はおそらく今回の金融政策決定会合で追加緩和をやるだろうという筋書きである。
ブルームバーグの記事は金曜日に公開されたが、土日を挟んだ翌週、25日(月)~27日(水)の相場は、米ドル/円も日経平均もさらに上がり続けるというふうではなく、調整的な動きとなった。
そして、迎えたのが28日(木)、日銀金融政策決定会合の結果発表だ。
当日は朝から再びリスクオンムードとなり、米ドル/円も日経平均も上昇していた。しかし、12時1分に日銀から発表された内容は現状維持、追加緩和見送りというもの。そこから、金融市場が失望売りとなったのは本記事冒頭でお伝えしたとおりだ。
発表のあった12時1分は株式市場が昼休みの時間帯で取引は行われていなかった。そこで、お昼の時間帯も動き続ける大阪取引所の日経平均先物の1分足チャートを見てみると、まるで断崖絶壁から飛び降りたかのような、壮絶な大陰線が刻まれている。12時1分時点の価格1万7560円から安値1万6600円まで960円もの暴落はわずか6分程度で起きた出来事だった。

(出所:CQG)
米ドル/円でも同じような大陰線が刻まれた。米ドル/円は111.60円台から108.70円台の安値をつけるまで急落。約3円の暴落だ。その間、わずか3分程度だった。

(出所:CQG)
その後、同日15時30分からは黒田日銀総裁の…
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