2016年4月28日(木)、日本銀行(以下、日銀)は金融政策決定会合を開催し、追加緩和を見送った。これにより、為替市場では円全面高となっている。
もし今回、日銀が追加緩和を実施すれば、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを発表した、1月29日(金)以来だった。
【参考記事】
●日銀のマイナス金利導入で相場大荒れ! 米ドル/円は急上昇→急反落→ジリ上げ
ブルームバーグの報道で市場の期待は高まっていた
今回の日銀の追加緩和実施の可能性については、先週末(4月22日)にブルームバーグが「日銀が金融機関への貸し出しにマイナス金利検討」と報じたことを受けて、市場では一気に期待が高まっていたのだが…。
西原宏一さんと松崎美子さんが対談形式でお届けしている「FXほっとLINEで作戦会議」で西原さんは、今回日銀が追加緩和のカードを切ってしまうと、7月に実施される参院選に向けて苦しくなってきてしまうと指摘していた。
また、松崎さんもブルームバーグの記事は、ゴールドマン・サックスが出したレポートを焼き直したような記事だったとコメントしていた。
【参考記事】
●10時間で中銀イベント3連発! 米ドル/円は下値攻め3回失敗で114円程度へ調整も(4月26日、西原宏一&松崎美子)
そして、陳満咲杜さんは、マイナス金利が導入されたあと、日本の消費者心理が悪化していることを引き合いに出し、「熊本地震もあったから、日銀がより機敏に動き、マイナス金利を拡大させるだろう」という思惑は裏切られる可能性が大きいとの見方を示していた。
【参考記事】
●本日のドル/円急上昇は戻り売りの好機! 107.83円割れなら下落トレンド再開と認定(4月22日、陳満咲杜)
日銀の追加緩和見送り発表後は円全面高
この日銀の追加緩和見送りを受けて、金融市場では円全面高となり、米ドル/円は、111円台半ばから、一時、108円台後半まで急落した。
ただ、その後は下げ止まると、13時現在、109円台前半でもみ合っている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 5分足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 5分足)
そして、追加緩和への期待感から、前日比243円プラスと大幅高で前場を引けていた日経平均は、日銀の追加緩和見送りを受けて後場に入ってから急反落し、一時、前日比500円超の下落となった。その後は少し戻し、13時現在は前日比420円超安となっている。
(出所:株マップ.com)
なお、今回の追加緩和見送り発表で大きな動きを見せた米ドル/円だが、FX会社の中では、スプレッド0.3銭程度で取引できる口座も非常に増えている。最新の米ドル/円スプレッドは以下の比較コンテンツでチェックできるので、ご参考に。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:取引コストで比べる「米ドル/円スプレッドの狭い順」
(ザイFX!編集部・庄司正高)
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