昨日は欧州序盤ではドル円は109円台の中盤であった。最近のレンジの上限である。そこで私はさっそく109.50でドル円を売りこんでみた。損切りベースの買い戻しは109.65でよい。前日の高値のちょっと外側だからだ。あまりリスクを取らないで済むからという消極的な理由でのポジショニングである。後はマーケット任せ。
ドル円はとりあえず上値攻めが力尽きたようで、高値を更新することはなく、109.30アラウンドまで下がってきた。しかしニューヨーク勢の参入とともに、ドル円は再び上がってきた。もうちょっと深押しすることを期待していたのに、もう反発か…。
私も損を出すわけにもいかないから、速攻で買い戻した。ほとんど同値であった。そしてすぐにドル円は109.65を超えてきた。そしてもう下がらなくなった。このままなのかなと思って、私は寝入ることにした。
朝見ると、ドル円は110円台になっていた。材料はFOMCの議事録であったようだ。その中で6月利上げの容認がかなり前向きにされたということだ。それでドルが買い進まれ、ドル円はストップロスも巻き込んで110円台までジャンプしたようだ。ユーロドルも安いので、ドルの全面高。ドル金利は短期も長期も上昇している。
しかし議事録なのだから古い話のはずである。なにも新発見はなくてもいいのに、この始末である。いったいFOMCの直後の声明文は内容をちゃんと伝えているのかと疑問さえわいてくる。ともかくもマーケットのコンセンサスでは6月利上げはないと見込まれていたので、完全なサプライズである。それを価格に織り込みにいったという解釈が正しいようだ。
今晩はドル金利の行方が要注意となるだろう。議事録でサプライズしたといっても、短期金利の先物価格ではまだ十分に6月利上げ分を織り込んでいない。まだ可能性としては5分5分である。
これがいずれどちらかに落ち着くわけだから、金利商品の値段にドルは振り回されることになりそうだ。6月利上げを完全に織り込んだ場合は、ドル円の上昇余地はまだ2円くらいはありそうなのである。
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