昨日は週明けのマーケットであったが、すでに先週の金曜日のニューヨーク時間でリスク回避は進んでいたので、アジア時間になって格別のリスク回避の進捗はなかった。つまり早朝から普通に始まったのである。ドル円もユーロ円も安いといいながらも、先週の安値を超えてくるほど突っ込まない。
短期のトレーダーだったら、何の興味もわかないところだろう。104円台にでも突っ込んでいれば、みんな喜んで売る。しかし105円台の中盤では手を出しにくい。年初来の安値を更新していないからだ。プライスに恐怖感が感じられない。むしろ安心感からのショートカバーだってありうるわけだ。
たしかにイギリスの国民投票の行方は気にかかる。しかし本当にイギリスがEUから離脱したらどうなるのかの恐怖分を、マーケットはプライスに織り込んでいないように思える。ドル円だったら95円くらい見てもおかしくはないであろうし、本尊のポンドだったら対ドルで1.30割れとかあっても不思議ではない。
株価ももっと下がってもよいはずだ。日経先物で言えば15000円割れをはるかに通り越して12000円割れとかをしても問題はないだろう。もちろん予想は五分五分だから予断を許さないというのが現状なのだが、マーケットレートを見ているだけでは調査が出るたびの一喜一憂に踊らされているだけで、本格的な資金回避のような行動はまったく見られていない。
そうして私もドル円がベアなのに、手が出ないでいた。するとドル円はやはりショートカバーに見舞われ、106円台を回復。欧州序盤に至っても、ドル円は再び買われ、ドル売りの手は完全になえた。ニューヨーク時間にシフトする頃には106円台の中盤まで買い進まれ、私としてはまったく関心をなくしてしまった。
経済イベント自体はないのだが、イギリスの世論調査がいろいろと発表されるというのに、そんなにリスク回避が進まないのだ。期待のほうばかりが不必要に高まっている展開は、実につまらない。
私は早々に寝てしまったが、夜中に出てきた世論調査は多くがEU離脱が優勢であることを示すものとなった。ポンドは小昼には落ちたが、先週末の反応ほどではない。ドル円も下がったが、昼間の安値をも下回れない。あまりにも反応薄だ。
さて今晩もイギリスの問題は気にかかる。それに向けての要人発言も要注意だ。それに加えて本邦では舛添知事の進退問題も最終局面を迎えている。政治的な不安定はリスク回避に結びつくのだが、その動きがいまひとつ足りない中、本格的な動きが出てきてもそれに順応できるように、身構えだけはしっかりとしておきたい。
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