国会議員の銃撃事件で、BREXITのEU離脱問題は先行きがわからなくなってきた。これまではいくつもの世論調査の結果で、EU離脱が優勢だということで、マーケットでもそのリスクに備えるべきリスクオフに傾いてきた。
週を通じて欧州株も米国株も連日のごとく下げ続けてきた。それがEU残留を希望する議員が撃たれたことで、同情票が集まるのではないかとの観測が立ってきたのだ。
その流れが金曜日のアジア時間にも顕著に見られ、朝からドル円は堅調で、日本株も上値追いの姿勢。仲値決めにかけてもドル円は104円台の後半まで攻め上がった。しかし日銀への失望による急落の直後であるだけに、戻りの場では逃げのオファーが待っている。
これはわかっていることだが、そこで実際に相場が止まって反転してくるまでは認識できない。上がっているほうに恐怖を感じるからだ。アジア時間も午後になると、ようやくドル円は軟化。そしてドル円は104円台の前半まで下がってきた。上を付けた後の104.50割れとかは売りこみやすい。私も何度かショートに振って、下げを取りに行った。
もっとドル円は下がってもよいと思ったのだが、なかなか104円ちょうどを割り込んでこない。104.10あたりを底にして、欧州序盤ではやや切り返しの様相。下がり始めたら、また売ろうと思って待っていたが、ニューヨーク時間になっても目立った動きは見られなかった。朝に至るまで、ほとんど値動きはなかったといってもよい。
さて今週はいよいよイギリスの国民投票である。それまでは要人発言やアンケート調査の結果にマーケットは降らされることになるだろう。しかし銃撃のため、予想はさらに困難になってきており、マーケットとしては不透明要因をひとつ余計に抱えたことになる。その分、軽い値動きとなってしまうリスクが増大しそうだ。ともかくも結果を予想しても意味がない。目の前の動きに忠実に対処するのが一番だろう。
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