昨日は為替相場でドル円が101円台にまで下落してきていたが、これは前日にアメリカの利上げ観測が遠のいたため。無用な利上げ期待が飛んだだけで、別に利下げをするわけでもない。
だから格別にドル相場が新安値を付けることもないだろう。そういうわけでドル円の下げも101円台あたりがせいぜいだろうと考えられる。もし仮に100円台に突っ込んだら、そこはいったん買ってみてもよさそうだ。そういうスタンスで私は臨んだ。
欧州序盤ではドル円は何度か102円台まで戻そうとしたが、なかなかに重い。そこへ日本政府の超長期債の増発の話が出てきた。すでに円債のフラット化が問題とされているところ、追加緩和の一環としても手段を欲していた日銀である。これが急速に円売りを促した。今度はしっかりとドル円は102円台に乗せてきて、私も買いそびれてしまい、押し目を待つことに。
IEAから石油需要見通しが出てきた。先月までは年内にもダブつき感は解消されるだろうという根拠のない楽観論で合ったものが、来年の6月までは供給過剰が続くという論調に変わったのだ。足元の生産と需要の関係を考えれば誰でもそう思うのだが、やっと公的にも認めたということだろうか。
OPECをはじめ、間もなく生産量のキャップを決める会合が控えているのだから、現状では目下、大増産中。最大生産の既成事実のポイントで、枠組みをフックスしたいところだからだ。自分だけが生産を我慢しても、よそにシェアを持っていかれてしまうというのが最近10年20年の歴史となっているからなおさらだ。
その結果、サウジもイラクも過去最大の月産となっている。それに加えてアメリカのシェール勢も在庫をため込んで、価格の回復を待っている状況。原油相場の軟化がマーケットのリスク許容度を減退させた。
前日に大幅反発した米国株も、その上昇分をすべて吐き出した。それがっやリスクオフの流れを強めたが、ドル円は102円台を割り込むことはなかった。もう今日は買えないなと思って私は早々に寝たが、夜中にドル円は一段高している。
日経新聞の早刷りで、日銀がマイナス金利の深堀りをするらしいと伝わったのである。その程度のことでお茶を濁すのかと失望売りが出てもよさそうなものなのに、市場の反応は素直に円売りとなったのである。
今日になってドル円は前日の高値を上抜けしてきた。そしてついでに先週の高値である103.05をも上回ってきた。日銀のアクションに期待が集まっているのだろう。しかし中身がその程度のものだったら、やはり失望による反動は避けられないような気がする。ここから上サイドはドル円のロングは慎んだほうがよさそうである。
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