昨日はアジア時間ではドル円が105円台でステイ。なおも高値追いの様子であった。後は米国株の一段高があってリスクテークの流れが強まるのか、もしくはドル金利が純粋に上昇してくるのを確認してからのことになる。
ドル金利に関しては12月利上げを大統領選のまえから完全に織り込まれてしまっている。次の注目は来年の6月利上げである。この可能性が50%を超えてきそうなことまで、ドル金利は、特に短期金利の先物で上昇してきている。トランプ氏は選挙戦の中で大型減税と公共投資を主張してきた。だから長期金利には上昇圧力がかかりやすい環境にはなっている。
欧州時間になるとドル円は106円台に乗せてきた。106円台は実に久しぶりなので、ストップロスの買い戻しも激しい。しかし値動き自体は不安定で、高値張り付きをしているかと思えば、急激に50ポイントくらいは簡単に落ちてしまう。
それはニューヨーク時間に入っても同じだった。結局のところ、107円台は見れなかった。それでも106円台の後半という、とても高いレベル一日の終わりを迎えることとなった。
トランプ氏が大統領に当選したのはサプライズだとか番狂わせだとか言われているが、果たしてそうだろうか。アンケート調査の仕方に問題がありそうだと事後的に分析されているが、イギリスのEU離脱のときもそうだった。
そもそも電話口や道端でマイクを向けられて、「私はトランプ支持です」と堂々と答えられるだろうか。やはりはばかられることではなかろうか。トランプ氏を支持していても、口先では「支持なし」などとしか答えられないのではないか。
ヒトラー総統やイスラム国を支持しているとは口にできないのと同様である。そういう部分を加味すると、事前の支持率調査では10%ポイントくらいの優勢でないと、クリントン氏には勝ち目がなかったということになる。
ともかくトランプ氏は就任後の100日で、いろいろと政策を打ち出すといっている。先行きが不透明といわれながらも、来年の3月あたりまではマーケットはかなり上に下にと振らされそうだ。
しかし昨日の米国株のうち、ダウ平均などは歴史的な最高値を超えてきたこともあり、マーケット的には期待が先行しているというのも事実である。
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