■米ドル全面高、米ドル/円は110円の大台突破
前回のコラムでは、トランプ氏当選がもたらしたいわゆる「トランプ・ラリー」の継続性に疑問を呈したものの、米ドル/円に関してはいったん110円の大台打診ありという見方も示した。足元の市況は、まさにそのとおりの展開だと思う。
【参考記事】
●トランプ・バブル!? 暴落から急反発はなぜ? ドル/円は100円をめざす前に110円打診か(2016年11月11日、陳満咲杜)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
東京時間の今朝(11月18日)未明、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で、12月の次回会合での利上げを示唆したことを受け、米ドル全体が一段と買われ、目先、ドルインデックスは101の節目を突破、13年ぶりの高値を再更新した。米ドル全面高の一環として、米ドル/円の110円の大台突破も、当然の値動きと受け止められるだろう。
(出所:CQG)
■米ドル/円のほぼ一本調子の急伸はスピード違反
もっとも、テクニカルの視点では、110円の大台の打診が容易に推測されるが、それにしても、現在のようなほぼ一本調子の急伸は、どちらかというとスピード違反だとみる。この意味合いにおいて、この米ドル/円の急伸は前回のコラムにて提起した「トランプ・ユーフォリア」の行きすぎを象徴する出来事であり、スピード違反自体が示唆に富んでいる。
【参考記事】
●トランプ・バブル!? 暴落から急反発はなぜ? ドル/円は100円をめざす前に110円打診か(2016年11月11日、陳満咲杜)
ところで、テクニカル上の測り方として、110円の節目打診の推測は至ってシンプルだった。
11月9日(水)のチャートが、非常に長い「下ヒゲ」を形成して「リバーサル」のサインを点灯していたから、その日の値幅の「買返し」、すなわち「105.90-101.16+105.90=110.64」(11月9日の高値=105.90円、安値=101.16円だった)の計算式で得られたわけで、執筆中の現時点で、すでに110.64円を超えているから、目標は達成されたと言える。
では、ここから米ドル/円のさらなる上昇余地があるだろうか。
結論から申し上げると、ここからさらに2~3円程度の上値余地があってもおかしくないが、少なくともスピード調整なしでは無理だと思う上、目先の110円台後半打診自体がかなりオーバーボートのサインを灯しているから、スピード調整があれば、また「激しさ」を伴う可能性が大きいのでは…と思うくらいだ。
もっとも、スピード調整とはいえ、必ずしも…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)