昨日のアジア時間ではリスク回避の動きがやや強まった。やはり週末に出てきた無人探索機のことが気がかりなようだ。またトランプ氏の発言も気になるところ。
米中関係の悪化はモロに経済に影響を与えるからだ。ドル円は117円台に前半まで軟化して欧州市場へとシフトとした。いうまでもなく前日の安値は下抜けてしまっている。
その欧州時間ではドル円はなんとか値崩れはしなかったものの、それでも上サイドにはかなりの売りものをためたようである。上値追いがまったく見られないのだ。
ドル円は117.50あたりでキャップされての展開が続いた。材料がないため、このままニューヨーク時間になっても、小動きのままで一日が祝ってしまいそうな雰囲気であった。
しかし夜中にはリスク回避が起こった。ドル円も116円台のミドルまで下落した。朝のレベルと比べると、2円弱の円高水準である。ロシアの駐トルコ大使が銃撃されたというのが、ひとつめである。
トルコとロシアはシリア問題で微妙な関係になる最中なので、神経過敏になっているところだ。それでマーケットは急速にリスク回避に傾いたのである。またドイツで起こったトラックの突っ込み事件もテロを連想させて、リスク回避を促した。
私は夜中は寝てしまっていて見ていなかったが、ドル円の116円台の中盤というのは想像もしていなかった。最近のドル円の相場ではほとんど深めの下押しなどしなかったからだ。
すっかり下げ余地は浅いものだという感覚に慣れてしまっていたのだろう。朝までにはドル円は117円台を回復。そして日本人の追随買いを許しているのが現状だ。
昼前に日銀の金利会合の結果が出た。瞬間的にドル円は30ポイントほど吹き上がったが、すぐに元あった水準まで戻された。日銀のアクションは何も期待されていなかったところに、結果も何もせずだったので当然であろう。
今晩もイベントがない。いつものごとく欧州序盤に向けてリスクオン的な動きにはなっているが、マーケット全体がリスク回避も含んで、ちょっとポジション調整の流れに傾いても不思議ではない。今日もドル円やユーロ円で一段安があっても驚かないという態勢で臨みたい。
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