■トランプ政権の対中政策は現実的な方針へ転換
今回の日米首脳会談を経て、徐々に明らかになってきたのがトランプ政権での通商問題。
重要視しているのが中国、そしてドイツ、加えて日本。
まず日本との関係は日米首脳会談を経て、対話を重ねていくという親密な方向に。
トランプ政権にとって、最重要項目はもちろん中国。
当初は中国に対しても強硬な姿勢を取っていたトランプ政権ですが、「ひとつの中国政策=台湾を中国の一部とみなす」を認めたことにより、対中国政策は現実的な方針に転換したといえます。
■ユーロは「暗黙のドイツマルク」のような存在?
そして残るは対欧州との関係。
この問題を注目させたのが「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏の下記のコメント。
トランプ政権の通商会議トップ「過小評価のユーロでドイツが利得」
トランプ米大統領が新設した「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、ドイツは「過小評価が著しい」ユーロを利用することで米国や欧州連合(EU)の貿易相手国よりも有利な立場を得ている、との見解を示した。
同氏はユーロについて「暗黙のドイツマルク」のような存在であり、過小評価されていることで、ドイツに主要貿易相手国に対する競争上の優位性を与えていると指摘した。
出所:Newsweek
対円同様、対ユーロでも米ドル高が進行するというのが今年(2017年)のコンセンサスですが、この報道以降、ユーロ/米ドルの下落が緩慢に。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
今後、この問題が解決されなければ米金利の上昇にもかかわらず、ユーロ/米ドルは底堅さを増してくる可能性も。
結果的にユーロ/円が反発する公算が高まります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
日米首脳会談を経て、底堅さを増した米ドル/円に加え、ユーロ/円の動向にも注目です。
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