昨日は欧州時間でドル円やユーロ円が下げた。最近のパターンとしては珍しい図式である。しかしマーケットの関心は議事録の公開に集まっており、アクティブなトレードはまったく見られなかった。3月のFOMCまでもう2、3週間くらいになっているので、すでに過去の記録であっても気にせずにはいられないといったところだ。
利上げが問題にならないだろうということは、昨日も書いた。利上げ動向よりも注目すべきであったのは、むしろ量的緩和のほうである。テイパリングして久しいが、実態はFRBの抱えるバランスシートはまったく縮んでいない。
満期を迎えた債券は買い直しているのが見て取れる。これを買い直さないようにしないと実質的なタイトニングには結びつかないので、名目だけ金利をいじっても効果がないのである。やった振りをしているだけなのである。
そこで議事録を見ると、BSの縮小は議論されなかったことになっている。つまり緩和モードのままなのである。それを受けて米国株は上昇に転じ、ダウ平均などは9日連続での歴史的な最高値の更新を演じている。これは30年ぶりだそうだ。要するにブラックマンデーの直前のことである。
一方で量的緩和がそのままだということで、ドルが売られることとなった。議事録の公開までは何を期待したものか、ドル買いが進んでいたのだから、その反動ということだ。
ドル円は112円台にも突っ込んだが、破壊力はない。値幅も大きくなく、議事録の内容としては何も目新しい発見はなかったということでマーケットのほうも動きようがなかったのだろう。
週の前半にちょっと買いこまれたドルロングの調整が気になるところだ。今日も大きなイベントはないので、ポジションの偏りやテクニカルなものに支配される状況が続きそうだ。
とりあえずドル円に限っては、昨日の安値である112.90あたりを下抜けしてきたら、追撃ベースであっても売りこんでいった方がよいように見受けられる。あらかじめ売りのストップ注文を置いておくのも一手だし、目で抜けたのを確認してからでも順張りでワークしそうだ。
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