金曜日のマーケットでは朝から為替相場でドル円が115円台に乗せてきた。そしてその後も堅調な動きを続け、市場が気にしていた今年の半値である115.10をもなんとか上回ってきたことで、全体的にリスクテークの感じが強くなった。日本株も上昇し、ドル円も小さい動きながらも小じっかり。
夜の注目はアメリカの雇用統計だった。それに向けての期待が高まっており、リスクフルのまま発表を迎えた。しかし結果は良し悪し入り混じったものだった。就業者数は20万人くらいの増加が見込まれていたところ、23万人強と予想を上回った。
それでドルは上昇し、株高も進んだが、ドル円は発表前の高値を超えることはできなかった。そこでこのままドル買いを進めてもいいのかなという不安な側面も浮上してきた。
平均時給の伸びが悪かったことで、3月以降の利上げペースに疑問符が打たれることとなった。ドル相場も調整に入り、米国株も重い展開となった。いきなりユーロの利上げ観測が出てきたことも、ドル安を後押しした。量的緩和を縮小する前に、利上げを行えるか模索をしているというものだ。
つまりアメリカと同じような状態に持っていきたいらしい。中央銀行のバランスシートはパンパンに膨らんだまま、名目の金利だけを操作するということだ。まだ観測の域は出ないが、それでも久しぶりのユーロのタイトニングのトピックで、ユーロは全面高となった。
今週は日米の金利会合がある。そこに市場の関心が集まっているので、それ以外の時間帯は様子見が続くことになるだろう。アメリカは3月利上げをするだろうことが見込まれているので、金利をいじらなかった場合のほうがマーケットへの影響が大きい。
しかし今月の利上げがあるということは、利上げのペースからかんがみて年4回の利上げはあるということを意味する。それを鈍らせるような文言が含まれるかどうか。それを評論するだけで2、3日は過ぎ去ってしまうだろう。
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