昨日はアジア時間でもドル円は111円台でしっかり。短期的な需給だけを考えても、上値攻めが正しく見える。値動き的にもこのあたりまでかなと枠をはめてしまうのも変だ。私も高いのを承知しておきながら、ドル円を111.22でロングにしてみた。
欧州時間では111.40あたりまで上がってきたが、やはりニューヨーク時間が気になるところ。ストップロスを自分の買った場所と同じにして様子を見る。なにしろニューヨーク市場での注目は、トランプ大統領が予告していた税制改革の公表である。
すでにメキシコの壁の費用の問題は9月まで先送りが決定されているが、改革案がどの程度まで「驚くべき」ものなのかに関心が集まった。国境税の扱いはどうなるのか。エルサレムの大使館は。法人税は本当に劇的に下げるのか。
ニューヨーク時間ではドル円は111.70あたりまで上げてきた。しかしそこから急激に売りに見舞われて、私の損切りがついてしまった。何ということ。そして悔しいことに、すぐにドル円は上昇に向かったのである。なんだか私のためだけに下げてきたよう。まったくの不愉快ではあったが、マーケット次第なので仕方がない。
ご丁寧に再び111.70あたりまで値を戻してきて、米政府筋からNAFTAからの脱退命令が出そうだという報道が流れた。ちょっとドル相場が崩れそうになったが、すぐに元に戻った。やはり市場の関心は税制改革にのみあるようだ。
夜中に公表された税制改革の結果はタカ派的なものではなく、どちらかというと失望ものだった。メキシコの壁はやらないと事前から言っていたので驚きはないが、国境税は含まれていなかった。
そして法人減税だけが示されたが、その財源の手当ては明示していない。議会の同意を得られるかわからない状態での「驚くべき」税制改革案となった。
国内企業の外国利益の還付を、1回限りの課税で済ますことも発表されたが、これがどの程度、国庫を潤すのかは不透明のままだ。失望をさそって米国株は安値引け。ドル円も110円台に突っ込んだりしている。
今日は税制改革の評価を見極める一日となる。欧州株を始め、米国株が一段安するのかどうか。それはマーケット全体のリスク許容度をうらなうことになる。なおニューヨーククローズ後には多くの大手ハイテク企業の決算発表があり、今夜が企業決算の山場となる。
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